
15日、映画「何者」が公開となり、上映を記念した舞台挨拶が開催された。上映後には熱気冷めやらぬ満席の客席を前に、主演の佐藤健をはじめとする豪華キャスト陣が公開を迎えた喜びを語った。
話題作の舞台挨拶とあって劇場には佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之という日本のドラマ・映画の主演級が勢ぞろいした若手豪華キャスト陣をひと目見ようと20~30代の女性層を中心に多数詰めかけた。
<映画「何者」はオールスターキャストの超話題作>
「何者」は「桐島、部活やめるってよ」で高校生の日常を描いた原作者の朝井リョウが、本作では就職活動を迎える大学生の日常を描いている。「桐島~」でも一筋縄でいかない人物像を描いていただけに、練りに練ったストーリーは本作でも期待は高まる。監督・脚本は「愛の渦」で大きな話題を巻き起こした三浦大輔が担当した。
舞台挨拶では、大学生たちの恋愛・友情ストーリーに見せかけて、実は人間の本性をさらけ出すという本作の内容にちなみ、キャスト陣がお互いの印象を暴露する『指差し印象ゲーム』を実施。“一番裏切りそうなのは誰?”“一番モテそうなのは誰?”等の質問に悩みながらも思い当たる相手を指差し、意外な答えや納得の回答に会場が沸いた。
“いち早く内定を取りそうなのは誰?”の質問には、主演の佐藤が二階堂、菅田、岡田からの3票を獲得。菅田は「健君は本気を出せば何でもできるクレバーな人! 人あたりの良さも含め、このフェイス! 絶対いけるでしょう。と佐藤を大絶賛。また、客席からの“誰かひとりと1日入れ替わるとしたら誰?”という質問には、岡田と山田が有村を指差し、「『私が有村です!』ってアピールしたい(岡田)」「男という男をたぶらかしたい!(山田)」と願望を露わにした。
前後の時間にはLINE LIVEでの生中継も行われ舞台挨拶直前タイミングでコメントを求められた山田が「山田孝之風の人でーす」と言って顔を隠す場面もあったが、直後の座談会では名MCぶりを発揮した。
<中田ヤスタカと米津玄師がタッグを組んだ主題歌「NANIMONO」に注目>
豪華出演者が顔をそろえた本作は、音楽でも現時点の国内最高峰と言い切れる豪華タッグに注目したい。
中田ヤスタカは、言うまでもなく現在の日本の音楽界のトップに君臨する存在だ。ユニット・CAPSULEでの活動をメインに、Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅらへのプロデュースワークをはじめ、ドラマ、映画「LIAR GAME」シリーズ、劇場版映画「ONE PIECE FILM Z」のオープニングテーマ、映画「アップルシード アルファ」など多岐に渡る音楽作品を生み出し、そのどれもが高い評価を得ている。今回は「中田ヤスタカ」個人名義でのリリースということで、これまでと同様に作詞・作曲・アレンジを含むすべてのプロデュースワークを期待したファンも多かったはずだが、米津とのタッグでそれをいい意味で裏切ってみせた。
<ネットとリアルをハイブリッド「これまでになかった音楽」を創り出す米津玄師>
米津は現在25歳のシンガーソングライター。2009年よりハチ名義で投稿したボカロ楽曲がネットで高い人気を誇り、2012年には本名名義でメジャーデビュー。中田ヤスタカ同様に作詞・作曲・アレンジなどすべてを自分でコントロールするミュージシャンだが、特筆すべきはジャケット周りのイラスト、ミュージックビデオも自分で手掛け、高い評価を得ていることだ。それもあって、新世代クリエイターとして様々なフィールドから注目されている。
現在名実ともに国内最高峰に位置するプロデューサー・DJである中田ヤスタカと、ネットとリアルをハイブリッドに融合し、若い世代から絶大な支持を誇る楽曲を次々に送り出している米津。そんなコラボは映画スタッフがふたりの高い音楽性に共鳴し、ラブコールを送ったことで実現したそう。「中田印」のサウンドに米津の男性ボーカルが乗る相乗効果は予想をはるかに上回り、中毒性高く何度も聴きたくなってしまう仕上がりになっている。
リオオリンピック閉会式「トーキョーショー」では、中田ヤスタカが一部の音楽を担当し大きな話題となったが、米津もきたる東京オリンピックで音楽を担当することを期待されることになる逸材だ。これからの日本の映画界の屋台骨を長きにわたって支えていくであろう「何者」に名を連ねた俳優陣や中田ヤスタカの名前と共に、米津玄師という名前に今から注目しておきたい。
写真:(c)2016 映画「何者」製作委員会