映画「溺れるナイフ」11月5日(土)の公開に先立ち、10月18日(火)有楽町朝日ホールにて、豪華出演者登壇による完成披露試写舞台挨拶が実施された。
小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅、上白石萌音、志磨遼平、山戸結希監督らが登場すると会場から黄色い歓声と拍手で場内は熱気に包まれた。
昨年9月に和歌山の大自然を舞台に17日間という短い期間で撮影された本作は、天候的にも時間的にも厳しかったということから、この日は劇中の場面写真を使い【友情編】、【恋愛編】、【激写編】の3つに分けてのトークイベントが行われ、撮影当時の思い出話で盛り上がっていた。
まず、最初の【友情編】ではクールな言動とその奥に秘めたギャップに夏芽の心をわしづかみにする少年コウを演じる菅田とその親友、大友を演じた重岡の教室での2ショットが写しだされると会場からは再び黄色い歓声が。そんな二人は同じ関西出身ということでお互いの第一印象について質問が及ぶと菅田は「現場の太陽と言われていた」と重岡の現場での立ち振る舞いを絶賛。一方で重岡は照れながら「最初は寡黙な人だと思っていました」と言いつつも「まとめるとめっちゃ、いいやつ!」と言う重岡にすぐさま「雑!」とツッコミを入れる姿に会場からは笑いが。続いて、コウの幼馴染で彼を慕うカナを演じた上白石は、普通の中学生から少し垢抜けた高校生へとなったカナの比較写真に観客から驚きの声があがった。「実は撮影前に山戸監督から中学生を演じるにあたり体重を増やしてと言われて・・・」というと続けて「高校生を演じる4日後には体重を元に戻して臨んだ」と告白すると、「いわゆる高校デビューする劇的ビフォーアフターです」と会場を笑わせていた。そんなストイックな役作りが語られると菅田も同じように体重を減らしていたらしく小松からも「あれは心配だった」というほどの役者たちも本気で臨んだ撮影秘話が語られた。
続けて、【恋愛編】では夏芽とコウが一緒に海に浸かってびしょ濡れになるシーンが写し出されると菅田は「『溺れるナイフ』を象徴するシーン」と語ると小松に「どうですか?」とムチャぶりを振ると、小松は「え?」と動揺しつつも「制服が重いのと、おもりをつけて、お芝居をするのが大変でした。」と撮影のエピソードを暴露した。この撮影裏話について菅田は「小松さんは体質らしくおもりをつけないと沈まないですよ。撮影の時は海の下にダイバーが安全のためにいてくれたのですが、台風直前の少し荒れた海で寒い中を何度も水をかけあったりして大変だったし怖かったです」と壮絶な現場を語りながら小松とともに助け合いながら乗り切ったエピソードを語った。
さらに【激写編】では気鋭のカメラマン広能を演じたドレスコーズの志磨遼平が演技初挑戦となった本作について「初めてなので何を準備していいかわからなかったので普段バンドをやっているので一般の方よりは写真を撮ってもらっているのでいつも撮ってくれる人をイメージした」と感想を述べると、撮影機会の多かった小松からは「こんなカメラマンさんは実際にいて、はまっていました!」と絶賛。さらに志磨は前身バンド、毛皮のマリーズ時代の名曲「コミック・ジェネイション」の主題歌も監督の要望を受けてドレスコーズとして再録音したことも語られた。
最後に本作でメガホンを撮った山戸監督から「今、素晴らしい映画がたくさん生まれる中で”今を生きる女の子の心に寄り添う映画”として、どの映画にも負けないと思っています。そして、キャストのみなさんの輝きが焼きついた映画です。」と言うと会場からは大きな拍手が。それを受けて菅田は「この作品は山戸監督が見たい世界であり、でも、そこにある気持ちや人間関係はそんなに遠くなく、憧れのような時間でもありました。必死に作った、代表作だと思っています。ぜひ、広めていってください!」と力強く語れば、小松は「夏芽にとっても、私自身にとっても、17日の撮影期間は特別なものでした。コウと夏芽が会った時の衝撃のように、皆さんにも何かを感じてもらえたらいいなあと思います。」と会場に呼びかけると大きな歓声が鳴り響く中、大盛況の末、イベントは幕を閉じた。