なぜいまランニングは自己表現として広がるのか。オンのランイベントで見えたこと

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これまでランニングは、ストイックに自分を追い込み、タイムを削る「孤独なスポーツ」として語られることが多かった。しかし今、その景色は少しずつ変わっている。走ることは、速さや記録だけでなく、どんなシューズを選び、どんなコミュニティに集い、どんな時間を過ごすかまで含めて、自分らしいスタイルとして楽しまれるようになってきた。

なぜ今、ランニングはここまでライフスタイルやカルチャーと結びつくようになったのか。その背景を探りたい。



ランニングは「競技」から「ライフスタイル」へ

かつてランニングは、速さや記録を競うものとして語られることが多かった。けれど今は、そうした競技性だけでは語りきれない。走ることは、気持ちをリセットし、自分を整えるための時間としても日常に入り込みつつある。



さらに今は、体を整えるためだけでなく、自分らしい感覚を持てる時間としても選ばれるようになってきた。ランニングは、自己管理のための運動であると同時に、自己表現の側面も帯び始めている。



機能だけではなく、スタイルやムードで選ばれるブランド

ランニングブランドを取り巻く空気も変わってきた。かつては走りやすさや軽さといった機能面が中心だったが、今はそのブランドがどんな世界観を持ち、どんなコミュニティと結びついているかも含めて選ばれるようになっている。走るための道具であると同時に、シューズやウェアはその人のスタイルや価値観を映すものにもなってきた。



◼︎オン(On)





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オンは、いまのランニングカルチャーを語るうえで外せないブランドのひとつだ。軽さやクッション性といった機能はもちろん、東京ではグループランや試し履きイベントも継続的に行い、走ることを都市のライフスタイルへとひらいている。2026年4月には、ゼンデイヤとの初コレクションも発売。機能性とデイリースタイルを両立したその見せ方からも、オンがファッションラバーから支持を広げていることがわかる。



◼︎サティスファイ(SATISFY)





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パリ発のサティスファイは、ランニングを単なる競技やトレーニングとしてではなく、感覚やカルチャーまで含めて見せてきたブランドだ。2026年4月には、パリマラソンに合わせてDover Street Market Paris(ドーバー ストリート マーケット パリ)でポップアップを開催。ランニングイベントとファッション感度の高い空間を自然に接続する、その見せ方にもこのブランドらしさが表れている。



◼︎サロモン(SALOMON)





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サロモンは、アウトドア由来の機能性を持ちながら、いまはその枠を超えてスタイルの面でも存在感を強めている。ロードとオフロードを自由に行き来する「グラベルランニング」を提案する一方で、東京・渋谷や大阪・あべのではコミュニティランも継続的に開催。タイムや距離を競うだけではない、もっと自由でひらかれたランニングのあり方を見せているブランドのひとつだ。



ランクラブは、新しいサードプレイス

今、世界の都市で起きているのは、ランニングの“社交場化”だ。走ることが、ただの運動習慣ではなく、人とつながり、時間を共有する場としても機能し始めている。



象徴的なのは、韓国のランニングカルチャーだろう。ソウルでは、スタイルやコミュニティまで含めてランニングを楽しむ空気が広がっている。実際、ソウル拠点のランニングクルー・9ood8ellowも、自らを「Run | Fashion | Lifestyle」と掲げており、走ることが単なる競技やトレーニングではなく、感覚の近い人たちが集まるライフスタイルの一部として広がっていることがうかがえる。





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こうした流れは、韓国だけのものではない。ベルリンでは、ランニングと音楽、社交を掛け合わせたイベント「RUN-N-RAVE」も広がっている。タイムを競うのではなく、走ることをきっかけに人とつながり、街を楽しむ。その空気にも、いまのランニングの広がり方が表れている。



この流れは、日本でも確実に広がっている。では、東京の街を走る人たちは、いま何を求め、どんな空気のなかにいるのか。週末、清澄白河のランイベントに足を運んだ。



清澄白河で体感した、オンのモーニングラン



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週末に足を運んだのは、清澄白河にあるニュージーランド発のスペシャルティコーヒーロースター「オールプレス エスプレッソ(allpress espresso)」で月に一度開かれている、オンとオールプレス エスプレッソによるランイベントだ。オンのシューズを試し履きしながら、スタッフも交えて街を走るこの場には、競技としてのランニングとは少し違う、ひらかれた空気があった。



なぜいまランニングは自己表現として広がるのか。オンのランイベントで見えたこと



今回参加者に用意されていたシューズは3月に発売されたばかりの最新モデル「Cloudmonster 3」。オン独自のCloudTec(R)構造を採用し、高いクッション性と反発力を備えたランニングシューズだ。



なぜいまランニングは自己表現として広がるのか。オンのランイベントで見えたこと



実際に「Cloudmonster 3」を履いて、木場公園にも立ち寄りながら約3キロをランニング。会話をしながらでも無理なく走れるペースで進んでいく。



なぜいまランニングは自己表現として広がるのか。オンのランイベントで見えたこと



朝8時半スタートにもかかわらず、今回は約70人が参加。ランニング後にはオールプレス エスプレッソのコールドブリューも用意されていた。走ったあとの爽快感のなかで飲む一杯は格別で、こうした時間まで含めてイベントとしてデザインされていることが伝わってくる。



速さや記録を競うというより、会話を交わしながら街を走り、その時間ごと楽しむような雰囲気が流れていた。ランニングが単なる運動ではなく、人や場所とゆるやかにつながる時間になっていることを、あらためて感じさせる朝だった。



【ランイベント情報】

会場:会場:オールプレス・エスプレッソ 東京ロースタリー
開催頻度:月1回程度
参加方法・詳細:公式Instagramを確認
公式Instagram:@allpressespressojapan



走ることを、もっと気軽に考えていい時代になったのかもしれない。速くなければいけないわけでも、ストイックでなければいけないわけでもない。自分の心地いいペースで始められて、その先で人や街、スタイルとつながっていく。いまランニングが広がっているのは、そうした自由さが、ファッションやコミュニティを含めた今のカルチャーとも響き合っているからではないだろうか。

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