ホンダは四輪電動化を軸とした取り組みについて説明会を開催し、代表執行役社長・三部敏宏氏が出席して説明を行なった。そのなかで大きな柱として想定より普及が遅れている四輪電動化、なかでもBEV戦略の軌道修正を発表した。
骨子は2030年度までにEVを中心とする電動化とソフトウエア領域に10兆円を投じる計画だったが、EV関連投資を3兆円減らして7兆円へ見直した点に尽きる。米トランプ政権がEV購入促進策を取り止める方針を示しており、EV関連への投資を一度立ち止まって見合わせるということ。
ただし需要の高いHEVは、BEV普及までの過渡期を担う重要な“中継ぎを超える”商品群として品揃えを強化する。ホンダ独自で評価の高い2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」と、それを搭載するプラットフォームを大幅に進化させるとした。
全社的な視点でみると、2030年の四輪世界販売は今年度計画(362万台)と同規模の360万台以上、そのうちHEVは現状の倍以上となる220万台をそれぞれ目指す。
HEVは2027年からの4年間で13モデルを世界市場に投入し、次世代の先進運転支援技術(ADAS)などを搭載する。北米では大型車の需要が底堅いことから大型車向けのHEVシステムも開発し、20年代後半に投入する予定。2040年まで取り扱う新車販売すべてをEVと燃料電池車(FCV)にするという目標に変更はない。
つまり、世界的なEV市場の減速を踏まえ、2030年時点のEVの販売比率の見通しを、これまで目標としていた30%を下回ると想定。BEVについては約20%にあたる70万台から75万台程度になるとの見通しを示した。
これに伴い、EVのラインアップや投入時期、の投資時期といったEV戦略のロードマップを大きく修正したというわけだ。(編集担当:吉田恒)