SNSの普及により、化粧品市場でも商品選択の手段が多様化している。従来のメディアを利用した宣伝広告や、店舗でのセールス、POPなどの売り手目線からの情報だけではなく、SNSを活用することで実際の使用感や使用方法、同カテゴリー製品との比較など、消費者目線からの実用的な情報が手に入るようになった。

これは化粧品全般において、商品選択を行う際に機能性や成分を重視する消費者が増えている一因と考えられるだろう。


 そんな中、昨今のSNSでとくに話題となっている美容ワードのひとつが「高濃度」だ。美容成分を高濃度に配合したスキンケア製品はこれまでにも数多く存在していたが、2024年6月に無印良品が高濃度美容液シリーズを新発売したことで、改めて関心が高まっているようだ。同社が当時リリースした高濃度美容液は、ビタミンC誘導体配合、レチノール誘導体配合、セラミド配合の3種で、さらに10月にはナイアシンアミドの高濃度美容液とオールインワンセラム3種類をラインナップに加えている。無印良品の店舗は、大型商業施設などに多数出店していることから、世代を問わず商品が目に留まりやすく、加えて「高濃度」がシンプルに主張されたボトルロゴのデザインなどで注目され、使用感も好評であることからSNSでも大きな話題となっているのだ。


 「高濃度」への訴求は、様々な成分があげられる。例えば、株式会社山田養蜂場 アピセラピーコスメティクスが、美白とシワ改善への期待を高める先進エイジングケアシリーズとして展開しているローヤルゼリー配合の基礎化粧品シリーズ「RJ エクセレント」も、「高濃度」で注目されている商品の一つだ。


 ローヤルゼリーは健康食品としてだけではなく、天然由来の美容保湿成分としても近年、高い評価と関心を集めている素材だ。山田養蜂場は1948年の創業以来、パワフルな女王蜂を生み出すローヤルゼリーの神秘のメカニズムを研究し、希少成分「デセン酸」を豊富に含むローヤルゼリーの美肌力を解明。同社ではこのデセン酸を効果的に化粧品に配合するために「デセン酸リッチローヤルゼリーエキス」を独自の保湿成分として開発した。「RJ エクセレント 薬用リンクルクリアエッセンス」は、この「デセン酸リッチローヤルゼリーエキス」と「アミノ酸リッチローヤルゼリーエキス」を合わせて60%(※抽出溶媒を含む)もの高濃度で配合された、医薬部外品の美容液だ。肌表面に潤い膜を形成してくれるので、まるでパックをしたように、潤いが角質層の深部まで送り届けられ、乾燥による小じわなども目立ちにくくなると評判だ。


 また、ロート製薬が展開しているオバジCセラムシリーズも、高濃度のビタミンC配合をうたった美容液だ。ロート製薬では、ビタミンCの中でも肌(角層)の中ですぐに働く「ピュアビタミンC」をオリジナル設計技術によって安定化させることに成功。さらに高浸透技術によって、有効成分が肌の隅々まで行きわたる。中でも「オバジC25セラム ネオ」は最高濃度のピュアビタミンC配合を実現。ハリや乾燥小じわにもアプローチすることができる商品だ。


 もちろん「高濃度」だから何でも良いのかといえば、それは違う。トルツメ成分によっては適切な配合量もあるし、他の成分との配合バランスもある。特に敏感肌の場合は事前にサンプルを試すなどの注意も必要だ。パッチテストなどがしっかり実施されているかも確認して、自分の肌に最適な美容液を選ぶようにしていただきたい。(編集担当:石井絢子)

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