参院政治倫理審査会は4日、『裏金』問題を巡る旧安倍派の参院議員29人について「政治的・道義的責任がある」と全会一致で議決した。一方で「行動規範等の順守勧告」については自民党が慎重な対応をすべきと主張したため、見送りになった。
自民党の佐藤正久議員は「当該議員の弁明等を通じて派閥事務局からの指示に従って還付金等の記載を行わなかったケースも一定数判明した」としたうえで「いずれも不記載を指導した形跡は見られなかったものの、秘書や会計責任者任せということで、管理監督責任が果たされていたとは言えない状況だった」とした。
そのうえで「政治資金規正法に背く行為が派閥という特定の集団の中で継続的に行われていたこと、説明責任においても疑念を払しょくできるまでに至っていないという点で不十分と言わざるを得ない。しかも、この事案により大きな政治不信を招いたこと自体に重い責任があると考える。わが会派としては29人の政治的・道義的責任は免れがたい」とした。
一方で勧告を下す事については「個々の議員に不記載を指導した形跡が見られない、政倫審に公開で応じた、責任を認め再発防止に取組む姿勢が見られた」とし「わが会派としては極めて(勧告には)慎重であるべきと考えている」と慎重な対応を主張した。
裏金を巡っては山谷えり子元国家公安委員長(比例)が2403万円、橋本聖子元五輪担当大臣(比例)が2057万円、宮本周司議員(和歌山)が1482万円、堀井巌議員(奈良)が876万円など高額な額が記載されていなかった。(編集担当:森高龍二)