経営難にもがき苦しんでいる再建中の日産は、2024年4月の中国・北京モーターショーで発表した電気自動車(BEV)セダン「N7」の受注が、発売約1カ月で1万7215台に達したと発表した。同じクラスのBEVセダンでトップクラスの販売を記録したという。
低迷する中国市場で日産が反転攻勢を目指すキーモデルになるとして期待を込める。
N7は日産と中国・東風汽車の合弁会社の東風日産乗用車公司(DFN)が開発を主導した初めてのモデルで、11.99万元(約238万円)からというリーズナブルな価格で4月27日に発売した。これまでと異なり現地が主導して開発期間を短縮。地場企業の部品を使ってコストを下げた。
全長4930mm、全幅1895mm、全高1487mm、ホイールベース2915mmの大柄とも云える伸びやかなボディは、流麗で未来的な外観を実現した。洗練された外観に加え、印象的な広々としたインテリアも実現。「Qualcomm SnapdragonTM8295プロセッサー」を搭載したインフォテイメントシステムは、シームレスなコックピット体験を提供する。
さらに、中国で人気の大型ディスプレーや冷蔵も保温もできる「保冷・保温蔵庫」を備え、中国のIT企業「Momenta(モメンタ)社」と共同開発した運転支援技術「ナビゲート・オン・オートパイロット」を搭載した。
駆動用バッテリーは58kWhと73kWhの2種類で、長めの最大635kmの航続距離を実現した。なお、「マックス」「プロ」「エア」の3つのグレードを用意し、「マックス」と「プロ」 についてはバッテリーの容量を選ぶことができる。
日産では今後、日本を含めて中国以外の市場へ輸出も検討するとしているが、N7が深刻な販売不振に苦しむ中国事業の立て直しのきっかけとなるのか注目される。(編集担当:吉田恒)