立憲民主党の重徳和彦政調会長は13日、政府が閣議決定した「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2025)」について「賃上げを起点とした成長型経済の実現という目標は我々も共有するが、企業利益が賃金に真っ先に回る経済をつくり、働き方や処遇の不当な格差を解消する労働法制の整備等により、賃金と『じぶん時間』が個人消費に回り、売り上げが伸び、投資が活性化する好循環を実現していく『賃上げ・雇用を中心とする経済政策』をめざす」との談話を発表した。


 重石氏は「賃上げを起点とした成長型経済の実現という目標は我々も共有するところであるが、この間、十分に賃金が上がらず、非正規雇用が増え、格差が拡大し続けたのは自民党政権のマクロ経済政策や雇用政策の失敗に他ならない」と指摘。


 「諸外国では労働生産性向上に伴い実質賃金が上昇してきたが、我が国は過去30年間で労働生産性が約3割上昇したものの、実質賃金横ばい。一方でトリクルダウンを志向したアベノミクスの影響もあり、企業収益と株主還元額は過去最高を更新し続けている」と自民党政権の経済政策の結果、非正規増、格差拡大になったと強調した。


 また「骨太の方針」で「減税政策よりも賃上げ政策」と掲げていることには「この両者は相反するものではない。物価高から国民生活を守るには、あらゆる政策を適時適切に動員すべきなのであって、このフレーズは政策手段を自ら縛り、無策に陥っている政権の現状を象徴しているかのようである」と問題視。


 そのうえで「財源を示さない無責任な減税は論外だが、財源を探す努力もせずに頭から減税を否定することを『責任』とは言わない。我々は食料品消費税ゼロ%にしても、ガソリン暫定税率廃止にしても財源を確保した上で提案している」と実現を主張した。


 GDPをみると2024年の世界名目GDPランキングで日本は4兆1104億5200万ドルで4位なのに、1人あたりの名目GDPは3万2859ドルと世界39位。アメリカ、イギリス、フランス、カナダなどはこの30年で名目賃金2倍以上だが、日本は横ばい。国際政治学者の羽場久美子青山学院大学名誉教授は「大企業が内部留保で貯め込んでいる結果、大企業は儲けているが、国民は豊かになっていない」と賃金アップをもっとやらなければいけないと指摘する。(編集担当:森高龍二)

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