政府は29日の月例系報告関係閣僚会議で景気の現状について「米国の通商政策等による影響が一部にみられるものの、緩やかに回復している」との判断をした。


 先行きについては「雇用・所得環境の改善、各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待される」としたうえで「米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクには留意が必要」とした。


 また「物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども、我が国の景気を下押しするリスクになっている。金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要がある」とトランプ関税による影響や物価上昇での個人消費の影響が景気下振れリスクになるとしている。


 基調判断で6月との比較で表現が変わったのは「景気下振れリスク」について、トランプ関税で「下振れリスクが高まっている」から7月は「リスクに留意が必要である」としたことや金融資本市場の変動などの影響に「一層注意が必要」としていたところを「引き続き注意する必要がある」にした点。
 
 個人消費では「消費動向の背景をみると実質総雇用者所得は緩やかに持ち直している。消費者マインドは下げ止まっている。足下の状況についてヒアリング結果等を踏まえると新車販売台数、家電販売は持ち直している。旅行はおおむね横ばい。外食は緩やかに増加。こうしたことを踏まえると個人消費は消費者マインドの改善に遅れがみられるものの、雇用・所得環境の改善の動きが続く中で、持ち直しの動きがみられる」とし、6月の「消費者マインドが弱含んでいる」から7月は「改善に遅れがみられるものの持ち直しの動きがみられる」と判断した。(編集担当:森高龍二)

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