ホンダの配送用電動アシストマイクロモビリティ「Fastport eQuad(ファストポート イークアッド)」試作機が、「レッド・ドット・デザイン賞」デザインコンセプト部門において最高賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞したと発表した。


 加えて、電動二輪車「EV Fun Concept(イーヴィー ファン コンセプト)」「EV Urban Concept(イーヴィー アーバン コンセプト)」が、二輪車の電動過給機付きV型3気筒エンジンのコンセプトムービー「New V3 Engine Concept Teaser(ニュー ブイスリー エンジン コンセプト ディザー)」がブランド&コミュニケーションデザイン部門で、それぞれ「レッド・ドット賞」を受賞したとも……。


 Fastport eQuadは革新的なマイクロモビリティを用いて、都市部などでのラストマイルの配送に新たなソリューションの提供を目指す新事業「Fastport」から生まれた試作車だ。


 Fastportは、アメリカン・ホンダモーター内で新事業の創出を担う組織「Honda New Business Innovation Lab」から誕生した新たなFaaS(Fleet as a Service)事業だ。その最初の製品が、配送用の電動アシストマイクロモビリティ「Fastport eQuad(ファストポート・イークアッド)」のプロトタイプだ。


 Fastport eQuadは、ライダーがペダルを漕ぐ力を電動アシストで補助する1人乗りの配送用マイクロモビリティ。ライダーのペダル操作を電子的に動力に伝えるペダル・バイ・ワイヤ方式と、ペダル操作を電力で補助するペダルアシスト駆動システムを組み合わせ、力強く滑らかで静粛性の高いゼロエミッション走行を実現する。


 自転車レーンでの走行を想定して設計、複雑な交通環境や渋滞が多い都市部での最終配送物流のスピードや効率性の向上に寄与することを目指した。2026年夏に本格的な量産を開始する予定だ。


 Fastport eQuadは、洗練されたデザインであり、かつ実際の使用環境における周囲との調和にも配慮して設計。自転車をモチーフにしながら、周囲の通行者や道路環境を直感的に認識できるよう、透明素材を効果的に取り入れたデザインを採用した。クリアなフロントガラスは、ライダーの視界を確保すると同時に、外部から運転席が見える。また、透過性のあるコンテナを採用することで、Fastport eQuadのボリューム感を視覚的に軽減した。


 レッド・ドット・デザイン賞は1955年に設立された、世界的に権威あるデザインに関する賞のひとつ。

主催はドイツ・エッセンを拠点とするノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター。プロダクトデザイン部門は51カテゴリーに分けられ、主に工業製品を対象に、デザインの革新性、機能性、耐久性、人間工学など9つの基準から審査する。(編集担当:吉田恒)

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