第9回TICAD(アフリカ開発会議)が20日、3日間の日程で横浜で始まった。石破茂総理は「基調講演」を行い「課題解決策を共に創る、そのために民間セクターの持続的な成長、若者であり、女性であり、地域統合及び域内外の連結性という3つの重要分野に焦点を当てたい」と述べた。
その中で「民間セクター主導の持続的な成長」について、石破総理は「官と民が連携して民間主導の投資を強化していく。AI(人工知能)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、衛星データの活用で、日本企業の技術や知見を活用し課題解決策を共に創り上げていきたい」とした。
また1例をあげ「デジタル技術を使って精密な信用分析を行って、今まで金融サービスにアクセスすることが難しかった、例えばタクシーのドライバーさん、こういう方にローンの機会を提供する。そういうことができると思う。真面目に働いているドライバーの方はローンを活用して中古車を買って、借金を返済する。デジタル技術によって、例えばドライバーさんの誠実な努力が報われる。そのような社会を構築するために、日本は一緒に取り組んでまいりたい」と考えの一端を示した。
また、石破総理は日本の課題解決にもアフリカの力を貸してほしいと述べ、五島列島で医薬品を運ぶための「ドローンでの輸送技術実証実験はルワンダで行われた」と力を借りた一例を紹介した。
またアフリカにおいての製造業が若者雇用の場を創出し、経済発展につながるとして、石破総理は「日本・アフリカの間で『産業エコシステム』を育て大きくしていきたい」とした。
石破総理は「アフリカのスタートアップと日本企業が共に産業を興していく。『日本アフリカ産業共創イニシアティブ』を進めていく」と述べるとともに金融面についても「日本とアフリカ開発銀行の協調枠組みであるアフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ機能を強化し、最大55億ドルに拡充する。JICA(国際協力機構)の海外投融資を触媒とした官民総額15億ドル規模のインパクト投資を動員する。