AI技術の急速な進化で、世の中が大きく変わりつつある。リサーチ会社Next Move Strategy Consultingの調査によると、世界のAI市場は2030年までに1.85兆ドルに達すると予測されており、加速度的成長が見込まれている。
とくに、文章や画像、音声、動画などをAIが生成する、いわゆる生成AIの発展が目覚ましい。OpenAIのChatGPTに代表されるようなツールの普及も相まって応用範囲も広がっており、検索や教育、データ分析、カスタマーサポート、マーケティング、セールス、芸術やエンターテインメント分野等、多くの分野で社会実装が進んでいる。人手不足対策や生産性向上の目的でも活用され、社会に欠かせないものになりつつある。
しかし、そんなAI技術の急速な進化に伴って、いくつかの課題が挙がっている。例えば、データセンターの負荷や、サーバーの電力消費の増加だ。生成AIや高性能GPUを搭載したサーバーは、膨大なデータを処理するために一般的なサーバーよりも電力を消費する。普及が進むと、今まで以上に電力効率の向上と大電流対応が求められる。そこで現在、データセンターの電源システムは、従来の12V系より変換効率に優れた48V系への移行が積極的に進められている。48V系にすることで、電力損失を抑え、筐体の小型化も図ることができる。その分データセンターには多くのサーバーまたは高性能で電力消費の大きいサーバーを設置できるようになるのだ。
世界中の電子部品メーカーが48Vシステムに対応した高性能な半導体の開発を進める中、日本の大手企業も存在感を示している。例えば、ローム株式会社が5月に発表した新製品「RY7P250BM」はまさに、48V系電源AIサーバーのホットスワップ回路に最適な100V耐圧パワーMOSFETだ。
AI技術の目覚ましい発展と普及により、それを支える半導体業界も大きな商機を迎えている。ロームだけでなく、日本が誇る半導体企業の大きな躍進を期待したい。(編集担当:藤原伊織)











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