防衛省は在日米軍が山口県岩国市の岩国飛行場でF35Cなど空母艦載機の陸上離発着訓練を17日から26日までの土日祝日を除いた日に実施すると発表した。12日、在日米軍司令部から通知があったとしている。


 訓練は午後1時30分から3時間と午後6時45分から3時間の時間帯で実施するとしている。防衛省は、米空母艦載機着陸訓練(FCLP)は空母艦載機のパイロットが着艦資格を取得するため陸上の飛行場滑走路を空母の甲板に見立てて着陸する必要不可欠な訓練、と説明。そのうえで「この訓練は我が国の防衛や地域における米国の抑止力・対処力の強化のため非常に重要な意義を持つ」としている。


 また米側は硫黄島での実施を予定していたが、今月1日発生した硫黄島の噴火が現在も継続し、噴火による人員、物資、航空機への影響などのリスクが大きいことから岩国飛行場で実施せざるを得ない旨の説明があったと理解を求めている。


 また民間航空機への影響及び岩国飛行場周辺住民の皆様への騒音の影響が最小限となるよう米側に申し入れたとしている。航空機の騒音を巡っては岩国基地周辺住民が夜間・早朝の飛行差し止めで提訴、係争中で11日には山口地裁岩国支部で第10回口頭弁論があり、軍用機の爆音による健康被害を受けていると住民が訴えた。今回の訓練に早朝・深夜時間帯を外しているのは米側もこうした背景を考慮したとみられる。(編集担当:森高龍二)

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