小泉進次郎防衛大臣は21日の記者会見で熊本県・健軍駐屯地に長射程ミサイル(スタンド・オフ・ミサイル)を今年度に配備するのに伴う住民説明会を求める声に「九州防衛局ウェブサイトで住民の皆様の御懸念を解消できるようにQ&Aを掲載することによって既に積極的な発信に努めている」として「現時点で住民説明会を実施する予定はない」とした。


 そのうえで「引き続き、丁寧な説明にしっかり努めていきたい」とした。

九州防衛局ではQ&Aで、スタンド・オフ・ミサイルについて「島嶼部を含む我が国に侵攻してくる艦艇や上陸部隊等に対して、脅威圏の外から対処することが可能なミサイルです。自衛隊員の安全を確保しつつ、我が国への攻撃を効果的に阻止することが可能になります。12式地対艦誘導弾能力向上型については地上発射型に加え、艦艇発射型及び航空機発射型の開発を行っているところです」と機能を説明。


 保有する必要性については「ロシアによるウクライナ侵略のように国際秩序の根幹を揺るがしかねない深刻な事態が今後、インド太平洋地域、とりわけ東アジアにおいて発生する可能性が排除されません」とする。


 なぜ配備が健軍駐屯地なのかには「すでに地対艦ミサイル連隊が配備されており、整備基盤が整っているため、メンテナンスに万全を期することが可能、現在の安全保障環境を踏まえれば南西地域の防衛体制の強化は引き続き喫緊の課題であり、我が国への侵攻を早期かつ遠方で阻止するという我が国の意思と能力を効果的に示すことのできる地理的位置にあることなどを総合的に勘案した」と説明している。


 健軍駐屯地が配備で攻撃目標になる危険性が高まるのではとの問いには「こうした能力を保有することで、相手に攻撃を思いとどませる抑止力を得ることができ、我が国に対する武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えています」とリスクが高まることの疑問には回答できていなかった。(編集担当:森高龍二)

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