10代後半から30代前半の、いわゆる「Z世代」を中心に「平成レトロ」が大きなムーブメントを巻き起こしている。ファッションや音楽シーンをはじめ、食料品や玩具、生活用品に至るまで、平成時代を彷彿とさせる商品は軒並み、好調な売れ行きを見せている。

当時を知らないZ世代の若者たちにとって、平成初期の文化は「古いモノ」ではなく、平成特有の「色使い」や「粗さ」、今と比べた「不便さ」までもが、むしろ彩度の高い、新鮮な世界として映っているようだ。


 例えば、今年で結成25周年を迎える沖縄県出身の5人組ロックバンド・ORANGE RANGEは、昨夏公開された「平成あるある」満載のMVが反響を呼んで「第76回NHK紅白歌合戦」に実に19年ぶりの出場を果たし、平成の大ヒット曲「イケナイ太陽」を披露して話題となった。ORANGE RANGEは 2003 年のメジャーデビュー以降、数々のヒット曲で平成中期の音楽シーンを席巻し、当時の若者にとって「青春の象徴」のような存在だった。紅白で歌う姿に、懐かしさで胸を熱くした昭和後期から平成初期生まれのX世代やY世代も多かったのではないだろうか。しかし、現代のブームの中心を担うZ世代の若者たちにとっては令和の新曲に勝るとも劣らない、エモい曲としてとらえられている。


 飲食の世界でも、平成時代のものが再燃しつつある。その代表的なものの一つが「ZIMA(ジーマ)」だ。アメリカ生まれのZIMA は、1997 年の日本上陸以来、平成カルチャーと共に若者たちの青春を彩ってきたアルコール飲料だ。瓶の口にカットレモンを挿してそのまま飲むスタイルが、当時の若者の間で爆発的な人気を呼んだ。ところが、2008年に本国のアメリカでの販売が一時終了してしまったことや、その後も日本市場で販売を続けていたモルソン・クアーズ・ジャパン社が2021年に日本市場から撤退したことで、日本の飲食店や食卓から姿を消した。


 しかし、SNSなどを中心に「ZIMAロス」を嘆く声が多く上がったことで、2023年に日本再上陸を果たしている。そのZIMA復活劇の立役者となったのが、清酒メーカー大手の白鶴酒造だ。

同社はZIMAだけでなく、米国売上No.1ホワイトビール「BLUE MOON(ブルームーン)」の2ブランドについて、日本国内での独占輸入販売契約をモルソン・クアーズと締結。飲食店舗やスーパー、コンビニなどで販売を展開している。


 そして、そんな見事な復活劇をみせたORANGE RANGEとZIMAが、今度はWebムービーでコラボをして早くも話題となっている。1月5日から「ZIMA JAPAN」公式 YouTube および SNS で公開されているWebムービー「またここで、あおう。」では、ZIMA の軌跡を、ORANGE RANGE の名曲「以心電信」の世界観に重ね、「離れていても、必ずまた出会える」というメッセージを ZIMA のブランドストーリーと融合。ブラウン管を思い出させる4:3の画面に、ZIMAを囲んで楽しく盛り上がる若者たちの姿が映し出されている。白鶴酒造いわく、「平成を駆け抜けた世代に、令和の今だからこそ、あの頃の高揚感や特別な瞬間を ZIMA とともに楽しんでほしい」という想いが込められているという。


 Z世代にはレトロな映像に見えても、X世代やY世代にとっては、つい昨日のことのように思い出す光景。でも、仲間と過ごす奇跡みたいな瞬間は平成も令和も変わらない。久し振りに昔の友人たちと集まって飲みたくなる。そんなWebムービーだ。(編集担当:藤原伊織)

編集部おすすめ