2026年2月9日、自民党が衆議院の3分の2を超える圧倒的な信任を得たことは、高市首相が掲げる「国力を高めるための人への投資」という方針が、強力な推進力を得たことを意味している。特に、これまで現役世代の負担となっていた「所得制限」の撤廃と、教育費軽減に向けた財政出動は、高市政権が目指す「強い日本」を支える重要な政策課題となる。


 ■「年収の壁」と「所得制限」からの解放


 高市首相は選挙戦を通じて、「子供は国の宝であり、親の所得によって受けられる教育や支援に差が出るべきではない」と繰り返し訴えてきた。今回の歴史的な大勝を受け、政府内では児童手当の所得制限を完全撤廃し、対象を高校生まで拡大する方針が具体性を帯び始めている。


 さらに、多くの共働き世帯が直面していた「働き損」の問題、いわゆる年収の壁についても、安定した議席数を背景に、抜本的な制度改正への期待が高まっている。給付と減税を組み合わせることで、「頑張って働けば、その分だけ家計が潤い、子供の未来に投資できる」という、現役世代が実感できる安心感の構築が急務だ。


 ■高等教育の負担軽減と奨学金制度の刷新
 
 教育支援の目玉となるのが、大学などの高等教育における負担軽減だ。政府は、給付型奨学金の対象を多子世帯や理工農系分野の学生を中心に大幅に拡充する検討を進めている。また、貸与型奨学金についても、卒業後の所得に応じて返済額を決める「出世払い」方式の導入や、戦略産業に従事した場合の返済免除など、若者がリスクを恐れずに挑戦できる環境整備が本格的に議論され始めている。


 こうした政策の実行力を支えるのは、単独過半数を大きく上回る政権の「継続性」への期待だ。中長期的な予算確保が見込める環境となったことで、制度の安定性が増し、教育機関もより長期的な人材育成プランを描くことが可能になるとみられる。


 ■次世代への責任と「稼ぐ力」の育成


 高市政権が目指すのは、単なる支援の拡充ではない。科学技術やデジタル、AIといった戦略分野への教育投資を強化することで、次世代がグローバル市場で「稼ぐ力」を身につけることを最終的な目的としている。


 圧倒的な議席数は、大胆な予算組み替えを可能にする一方で、公費が投じられる以上、教育の質の向上や、それが将来の国力の強化にどうつながるのかという説明責任もより重くなる。

2026年、日本が「世界で最も学びやすい国」へと舵を切れるか。その真価が問われる一歩が踏み出された。


 教育費の負担軽減は、ゴールではなくスタートに過ぎない。高市政権が目指すのは、世界をリードする人材を育成し、再び「稼げる日本」を取り戻すことだ。強力な推進力を得たことを背景に、硬直化した教育システムをいかにしてデジタル時代、AI時代へと適合させていくのか。教育投資という名の「未来への布石」が、日本の国力を再び押し上げる原動力となることを期待したい。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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