2月11日の建国記念の日に合わせ、日本は現存する世界最古の国家であるという言説がしばしば各メディアで取り上げられる。ギネス世界記録にも掲載されているこの事実は、国民にとって誇らしい伝統である一方、専門的な視点で見れば、何を基準に国家の継続を測るかという、非常に奥深い問いを投げかけている。


 ■王朝の継続性という唯一無二の事実


 国際的に日本が最古の系譜と見なされる最大の根拠は、皇室という王朝の非断絶性にある。 世界の歴史を振り返れば、中国やエジプト、欧州諸国などは王朝の交代、あるいは革命によって前国家を否定し、新しい国家を宣言するプロセスを繰り返してきた。これに対し日本は、記紀の伝承から数えれば2600余年、確実な史料が存在する6世紀の継体天皇以降に限定しても約1500年にわたり、同一の家系が君主の地位にある。この王朝交代を経験していない制度の継続は、国際法上の国家の同一性を担保する強力なファクトとなっている。


 ■近代国家としての若さとの二面性


 一方で、憲法学や政治学の視点では、日本は比較的新しい国であるという解釈も並立する。 主権の所在が明確に法制化された近代国家としての日本は、1889年の大日本帝国憲法、あるいは現在の日本国憲法が施行された1947年に誕生したという考え方だ。主権が君主から国民へと根本的に移った戦後を新しい国家の始まりと定義すれば、建国からの年月はアメリカなどよりも短いことになる。


 日本は世界で唯一無二の古い王朝という伝統的権威を守りながら、同時に戦後誕生したばかりの新しい民主主義国でもある。この二つの顔を合わせ持っていることこそが、現代日本のアイデンティティを形成する本質的な事実と言える。古い伝統を維持しつつ、新しい価値観を取り入れてきた日本の歩みは、建国を祝う今日、改めてその重層的な深さを私たちに示している。


 過去から引き継がれた権威と、戦後に築き上げた自由。この一見すると相反する二つの要素が共存していることこそ、日本の強みと言えるだろう。

建国をしのぶこの日は、私たちがどのような軌跡を辿り、今どのような国に生きているのかを、静かに問い直す日でもある。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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