人工知能需要の爆発的な拡大を受け、日本各地で巨大データセンターの建設ラッシュが起きている。アジア最大級のデータセンター集積地として、世界のIT大手から投資が集中する千葉県印西市。
■露呈する電力の壁と送電網の限界
最新の人工知能向けデータセンターは、膨大な計算処理を支えるために従来の数倍の電力を消費する。2026年にはデータセンター全体の電力需要が国内の総消費電力の数パーセントを占め始めるとの予測もあり、一部の自治体では地域全体の消費電力を一施設で上回るような建設計画も浮上している。これにより、既存の送電網の容量が限界に達し、新規建設が制限されるだけでなく、将来的には地域住民への電力供給コストや安定性に影響を与えかねないリスクが顕在化しつつある。
■電力政策と地方創生の新たな形
この課題に対し、産業界では電力の地産地消という新たなモデルが動き出している。再生可能エネルギーが豊富な北海道などで、発電所の至近距離にデータセンターを設置することで送電ロスを減らす試みだ。さらに、施設から出る膨大な廃熱を、冬場のビニールハウス栽培や「雪うなぎ」に代表される陸上養殖事業、あるいは地域の融雪システムに再利用するなど、環境負荷を逆手に取った地域共生型のビジネスモデルも各地で結実し始めている。
■インフラとしての持続可能性
2026年、データセンターは単なるIT設備ではなく、国家の経済安全保障を支える重要インフラとしての地位を確立した。地方経済への恩恵や雇用創出が期待される一方で、限られた電力資源をどう分散し、社会全体で効率的に支えていくかが問われている。地方創生の強力な切り札となるか、それとも地域のインフラ負荷となるか。データセンター誘致は今、地域社会との持続可能な共存を前提とした、新たなフェーズに入っている。

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