バレンタインを明日に控え、街が華やかな活気に包まれる中、消費者の視線は早くもその先の「春休み」へと向いています。JTBが発表した「2026年旅行動向見通し」によれば、今年の国内旅行者数は前年比で微減となるものの、一人あたりの旅行費用は5万2900円と前年比102.9%に上昇する見込みです。


 背景にあるのは、宿泊費の高騰を厭わない「高付加価値層」の動きです。自分への投資を惜しまない「ご褒美消費」のマインドは、宿選びにも顕著に現れています。特に、追加料金を気にせず滞在を楽しめる「オールインクルーシブ」を掲げる温泉リゾートや、知床・沖縄といった地方の高単価宿への予約が先行しています。


 さらに、この単価上昇の裏には宿泊業界の「構造変化」もあります。深刻な人手不足により、あえて全室を稼働させず、客室数を絞ることでサービス質を維持しつつ単価を上げる「量より質」の経営へ舵を切る施設が増えています。これにより、人気エリアの希少性はさらに高まりました。


 物価高の中で、慣習的な出費は徹底的に削る一方、確かな体験が得られる「自分への春休み」には迷わず財布の紐を緩める。こうした消費の二極化は、2026年の新たなスタンダードになりつつあります。直近の予約動向を見ましても、中部エリアの温泉地や九州・沖縄、北海道などが根強い人気を集めています。「1粒436円のチョコ」を自分への労いとして選ぶ層が、次は「1泊5万円の体験」という、失敗したくない「本物志向」の旅を検討し始めている格好です。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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