政府が掲げる2026年度の経済見通しでは、消費者物価指数の上昇率を前年度比2.0%程度と見込んでいます。この「2%」という数字は、賃金の伸びが物価上昇を上回り、経済が緩やかに回り続ける「好循環」への回帰を前提とした巡航速度としての目標値です。

しかし、足元の実績値を見るとエネルギー価格の変動や輸入物価の影響により、一時的に3%近い伸びを示す局面もあり、政府目標と市場の実態には一定の距離感があるのが現状です。


 この見通しと実績の乖離を生んでいる背景には、政策による価格抑制効果と外部要因の複雑な絡み合いがあります。政府の予測は、電気・ガス料金への補助金による押し下げ効果を織り込んだものですが、国際情勢に伴う燃料価格の変動や為替の円安進行は、政府の想定を超えて物価を押し上げる要因となります。特にサービス価格への転嫁の進展具合が、2026年度の物価の「着地点」を左右する大きな不確定要素となっています。


 ただし、足元の物価高が落ち着きを見せ始めれば、2.0%という目標値は、無理のないインフレ率として経済に安定感をもたらします。もし賃上げがこのペースを追い越すことができれば、消費者の購買力は実質的に向上し、内需主導の力強い成長が現実味を帯びてきます。現在の物価高というハードルを越えた先には、誰もが成長を実感できる「物価と賃金の安定した関係」が待っています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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