2026年の春闘に向けた動きが、労働組合側の方針決定とともに具体的な形を見せ始めています。労働組合の中央組織である連合は、昨年に引き続き「5%以上」という高い水準の賃上げ方針を掲げており、現在は各産業別組合や単一組合が、経営側への要求書提出に向けた具体的な要求内容の策定や、組織内での意思決定を進めている段階にあります。

今年の交渉において最大の焦点となるのは、物価上昇に負けない「実質賃金の確実なプラス化」であり、そのためのベースアップの積み増しが議論の核となっています。


 これに対し、経営側のスタンスも早期から注目されています。日本経済団体連合会(経団連)は、物価高への対応や人手不足の解消という観点から、企業に対して「賃上げモメンタム(勢い)の維持」を強く呼びかけています。現在は、大手企業から中小企業に至るまで、昨年度を上回る、あるいは同水準の賃上げをいかに継続できるか、各企業が自社の支払い能力や先行きを精査しながら、間もなく始まる労使交渉のテーブルに向けた準備を整えている状況です。


 これから始まる一連のプロセスは、日本経済が「デフレへの逆戻り」を防ぎ、持続的な成長軌道に乗れるかどうかを左右する極めて重要な意味を持ちます。労使双方が「賃上げと経済成長の好循環」という共通目標を掲げ、早期から前向きな機運を醸成していることは、過去の春闘には見られなかった大きな変化です。今後、要求書の提出を経て本格化する議論が、働く人々の生活を実質的に豊かにし、社会全体の活力を引き出す確かな一歩となることが期待されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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