今回のニュースのポイント


・不動産指標の大幅な下落:2025年の中国不動産投資は前年比17.2%減、販売面積は8.7%減、新築価格は2.7%減を記録し、市場の停滞が鮮明になっています。


・消費抑制の構造的要因:家計資産の多くを占める不動産価値の減少に加え、人口動態の変化や在庫過剰という構造的課題が重なり、広範な内需低迷を招いています。


・日本企業のリスク分散:建機や鉄鋼などの資材関連で需要減が続く中、企業は「チャイナ・プラス・ワン」戦略を検討・加速させるなど、リスク分散の動きを強めています。


 中国経済は、長年成長を牽引してきた不動産市場の急減速を受け、厳しい転換期にあります。中国国家統計局が公表した2025年の指標によると、不動産開発投資は前年比17.2%減、不動産販売面積は8.7%減と大幅に落ち込みました。政府による融資緩和策の下支えにもかかわらず、価格の下落基調に歯止めがかからない現状が浮き彫りとなっています。


 この停滞の背景には、清華大学などの研究機関によっても指摘されている人口動態の変化と深刻な在庫過剰があります。住宅が投資対象としての魅力を失う中で、家計資産の減少が消費マインドを冷やし、将来への不安から「予備的貯蓄」が増大するという悪循環に陥っています。


 日本企業は、この市場変化に対し現実的な戦略転換を進めています。建設機械や素材産業などのインフラ依存型業種では拠点縮小の動きが見られる一方、車載電池などの先進分野では依然として協力関係が維持されています。しかし、地政学リスクや市場減速を見据え、サプライチェーンの一部を東南アジア等へ分散する「チャイナ・プラス・ワン」の傾向は、多くの業種でさらに強まりつつあります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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