今回のニュースのポイント


・中東依存の脆さ:日本の原油輸入の9割以上が中東経由(ホルムズ海峡を要衝とする)であり、供給網の寸断は日本経済の生命線を直撃する。


・主要海運の即応:日本郵船、商船三井、川崎汽船の邦船大手3社が1日までにホルムズ海峡の航行停止と安全海域での待機を決定。


・「悪い物価高」の再来:1バレル140ドル超えの予測も。景気後退と物価高が同時に進むスタグフレーションへの警戒が急速に高まっている。


 2026年3月3日、日本のエネルギー供給網が戦後最大の試練を迎えています。米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、世界の原油輸送の要衝である「ホルムズ海峡」が事実上の封鎖状態に陥りました。日本の原油輸入の9割以上が中東経由であり、その大半がこの海峡を通過しています。資源小国・日本にとって、この海路の遮断は経済の生命線が絶たれるに等しい事態です。


 既に物流の最前線では激震が走っています。日本郵船、商船三井、川崎汽船の邦船大手3社は、1日までにペルシャ湾内およびホルムズ海峡の航行停止を決定。付近を航行中のタンカーやLNG船に対し、安全な海域での待機を指示しました。この決定により、中東からの原油供給が物理的に滞る「供給空白」が生じることが確定的となっています。


 私たちの生活への影響は、まず「エネルギー価格」として現れます。原油価格が1バレル=140ドルまで高騰した場合、国内のガソリン価格は政府の補助金があっても200円の大台を突破する懸念があります。

さらに、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)の調達コストも跳ね上がり、数ヶ月のタイムラグを経て電気・ガス料金の再値上げとして家計を圧迫する可能性が高いと言えます。


 なぜ今、これが深刻な問題になるのでしょうか。それは日本経済が「スタグフレーション」の入り口に立たされているからです。スタグフレーションとは、景気が低迷しているにもかかわらず、物価だけが上がり続ける現象を指します。賃上げが物価高に追いつかない「悪い物価上昇」が再燃するリスクが極めて濃厚です。会社員にとっては実質賃金の目減り、主婦にとっては生活費全般の底上げという形で影響が及びます。私たちは今、単なるガソリン代の心配を超えて、エネルギー構造の脆弱性と向き合う岐路に立たされています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

編集部おすすめ