今回のニュースのポイント


・PB(プライベートブランド)の主役化:大手メーカー品の値上げを受け、品質が安定し価格も抑えられたPB商品への移行が加速しています。


・買い方の効率化:特売日に合わせたまとめ買いから、必要な分だけを無駄なく買うジャストインタイム型消費へとシフトし、食品ロスを抑える傾向です。


・納得感への投資:全てを安さで選ぶのではなく、健康維持や時短につながる付加価値の高い商品には支出を惜しまない二極化が進行しています。


 3月の食品値上げ品目数が684品目と、前年比で大幅に減少したというニュースは、一見すると家計の安堵を誘います。しかし、スーパーの店頭に立つ消費者の実感は依然として高いというものです。長引く物価高を経て、私たちの購買行動はもはやデフレ時代のそれとは全く異なる、新しいステージへと進化しています。


 最大の変化は、プライベートブランド(PB)に対する意識です。かつては安かろう悪かろうというイメージもあったPB商品ですが、現在は大手スーパー各社が品質向上に注力した結果、ナショナルブランド(メーカー品)の代替ではなく、第一選択肢として選ばれるようになっています。特に調味料や冷凍食品、乳製品において、PBへのブランドスイッチを行う家庭が急増しており、これがメーカー各社の値上げ抑制圧力にもつながっています。


 また、買い物の回数と質も変わりました。かつての節約術といえば、複数のスーパーを回って1円でも安い商品を探すことでしたが、現在はガソリン代の上昇もあり1箇所で効率よく買い、在庫を徹底管理して捨てないというスタイルが定着しています。スマートフォンのアプリで在庫を管理し、使い切れる分だけを購入するジャストインタイム型の消費が、最も効果的な家計防衛策として認識され始めています。


 一方で、全ての支出を削るわけではありません。家計調査からは、健康維持に直結する生鮮食品や、共働き世帯の時間を生み出す高機能な冷凍食品などへの支出は維持、あるいは微増している傾向が見て取れます。

単なる節約ではなく、価値のあるものには対価を払う納得感重視の消費。2026年春、私たちは価格に振り回される段階から、自らの価値観で家計をコントロールする段階へと歩みを進めています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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