今回のニュースのポイント


・制度の現状:児童手当の所得制限は2024年10月に撤廃済み。現在は全ての子供に等しく支援が行き渡る「普遍主義」で運用中。


・2026年の焦点:2026年4月から「子ども・子育て支援金」制度が開始。社会保険料に上乗せされる形で、全世代が財源を負担。


・控除縮小の衝撃:高校生年代の扶養控除が38万円から25万円(所得税)へ縮小。手当支給と引き換えの「実質増税」が家計を直撃。


 日本の少子化対策が、支援の「拡充」から財源の「負担」という新しい局面に入ろうとしています。すでに2024年10月、児童手当の所得制限は撤廃され、高校生年代までの支給拡大も実現しました。これにより都市部の共働き世帯の不公平感は一定の解消を見ましたが、次に注視すべきは、2026年4月から始まる「子ども・子育て支援金」制度の影響です。


 この新制度は、少子化対策の財源を確保するため、公的医療保険の保険料に上乗せして徴収されるものです。政府は「賃上げによって実質的な負担は生じない」と説明していますが、額面上の手取り額に直結する社会保険料の増額は、子育て世帯にとっても無視できない重石となります。特に2026年度は、支援の恩恵をフルに享受している世帯であっても、制度を支える側としてのコスト負担が目に見える形で始まります。


 さらに議論を呼んでいるのが、高校生年代(16~18歳)の扶養控除縮小とのセット運用です。現在、所得税38万円、住民税33万円となっている扶養控除が、2026年度(住民税は27年度)から所得税25万円、住民税12万円へと段階的に引き下げられる方針です。

児童手当として月額1万円(年12万円)が支給される一方で、控除額が削られることにより所得税・住民税の負担は増します。特に所得税率が高い世帯ほど、控除縮小による増税額が大きくなるため、支給される手当と、新たに徴収される「支援金(社会保険料)」、そしてこの「増税分」を合算すると、世帯年収によっては実質的な収支がマイナス、あるいはプラスマイナスゼロになる「相殺事態」が現実味を帯びています。


 2026年を境に「もらえるお金」だけでなく「引かれるお金」の構造が劇的に変化します。政府は今後、多子世帯への加算拡充なども予定していますが、家計のトータルバランスで見れば、2024年の制限撤廃時の効果は、2026年の負担開始によって大きく減じられる可能性があります。「我が家の実質手取り」を維持するためには、単なる支給額の確認に留まらず、税制と社会保険料の動向を一体で注視し続ける必要があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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