今回のニュースのポイント
・サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が公表したロードマップ(案)によると、新しいサステナビリティ開示基準の適用は2027年3月期から段階的に開始される見通しです。
・対象範囲は時価総額により区分され、2027年3月期は3兆円以上の企業、2028年3月期以降は1兆円、5000億円と順次拡大し、最終的に東証プライム上場全社(約1600社)への適用が検討されています。
・金融庁の審議会等では、Scope1・2に加え、Scope3や人的資本等の定量情報の開示を求める方向で制度設計が進められています。
欧州連合(EU)の企業サステナビリティ報告指令(CSRD)といった国際的な規制環境の変化を受け、日本国内でも法制化に向けた具体的な制度設計が進んでいます。日本のサステナビリティ基準委員会(SSBJ)が公表した資料「日本版S1・S2基準の適用に向けたロードマップ(案)」によれば、新基準は2027年3月期から東証プライム上場企業を対象に段階的に適用される予定です。
SSBJが提示した適用スケジュールでは、企業の時価総額に応じた段階的なフェーズが設定されています。第1フェーズとなる2027年3月期(または同12月期)からは、時価総額3兆円以上のプライム上場企業が対象となります。続くフェーズでは1兆円以上(2028年3月期以降)、5000億円以上(2029年3月期以降)と順次拡大する方針が示されており、最終的に東証プライム上場全社(約1600社)への適用が検討されています。
開示項目については、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が策定した国際基準に準拠する形で、環境・社会・ガバナンスの定量指標が検討されています。金融庁の審議会資料等では、Scope1・2に加え、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(Scope3)や、人的資本(教育研修、多様性等)の項目について開示を求める方向で調整が進んでいます。また、金融庁は運用会社に対しても、ESG評価プロセスの説明責任を求める「ESG投信の開示に関する監督方針」を策定しており、いわゆるグリーンウォッシュ(実態を伴わない環境配慮)を防止する規制枠組みの整備が並行して進められています。
こうした開示基準の対象は主にプライム上場企業ですが、実務上はサプライチェーンを構成する中堅・未上場企業に対しても、排出量等のデータ提供が求められる機会が増加しています。これは、親会社や主要取引先が「Scope3」を算出・報告するために、サプライヤーからのデータ収集が必要となるケースがあるためです。
今後は、2025年内を目途にSSBJによる最終基準の確定が見込まれています。

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