今回のニュースのポイント
・エンゲル係数は28%台、約40年ぶりの高水準: 総務省の家計調査によれば、2人以上世帯のエンゲル係数は28%台と、1980年代初頭以来の高水準で推移しています。食料品の値上げが相次ぎ、家計支出に占める食費の割合が高止まりしています。
・「名目増・実質減」の傾向: 1世帯あたりの月平均消費支出が名目ベースで前年より増加する一方、物価変動を除いた実質ベースでは食料への支出が減少。価格上昇により、支払額は増えても購入量は減るという、統計上の「実質的な買い控え」の構図が鮮明になっています。
・年間10万円前後の負担増の可能性: 民間シンクタンクの試算では、1ドル=145~150円程度の円安水準が続いた場合、3人家族で年間10万円前後の負担増になるとされています。エコノミストの間では、現在の150~160円台の水準が長期化することによる負担増の長期化が懸念されています。
円安に伴う輸入物価の上昇が家計に与える影響が、統計からも明らかになりました。総務省が公表している家計調査によれば、2人以上世帯のエンゲル係数は28%台に達しており、1980年代初頭以来、約40年ぶりの高水準を記録しています。
家計の数字を詳しく見ると、所得に占める食費負担が重くなる構造が際立ちます。1世帯あたりの月間消費支出は名目では前年比で増加傾向にありますが、食料への支出を実質ベースで見ると減少しています。価格の上昇により「支払う金額は増えているが、実際に購入している量は減っている」という、物価高局面特有の消費行動が統計に表れています。
この背景として、専門家は構造的な影響を指摘しています。日本のカロリーベースの食料自給率は38%前後にとどまり、原材料や家畜の飼料を海外に頼る構造上、為替変動の影響は食卓のコストに反映されやすい性質を持っています。帝国データバンクの調査では、2023年に値上げされた食品は約3万2,000品目に達し、1回あたりの値上げ率は平均で6~14%を記録しました。
こうした環境下で、家計側ではプライベートブランド(PB)へのシフトやまとめ買い、外食の抑制などの対応が見られます。しかし、エコノミストの間では、円安が160円水準で長期化した場合、年間10万円前後とされる追加負担を家計の工夫だけで吸収し続けることには限界も指摘されています。
国会では本日午後、2026年度当初予算案が衆院予算委員会で採決される見通しです。一部の与党議員や野党から提案されている「食料品への時限的な消費税減税」などの案も、家計負担への対応策として議論されています。賃上げを通じた実質所得の回復とともに、物価高対策の具体性が今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)
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