今回のニュースのポイント
・家計支出は実質0.9%増、3年ぶりのプラス: 2025年の2人以上世帯の月平均消費支出は31万4,001円となりました。名目で前年比4.6%増、実質でも0.9%増と、物価高を上回る支出の伸びが確認されています。
・「モノからコトへ」のシフト鮮明: 教育や娯楽に加え、交通・通信費が前年比6.7%増と大きく伸びました。食料の実質支出が1.2%減となるなか、生活必需品を節約し、移動や体験に投資する家計の選択が見て取れます。
・2,286兆円の資産管理が鍵: 日本の家計金融資産は過去最高の2,286兆円規模に達しています。キャッシュレス決済比率が42.8%まで上昇し、支出の「見える化」が進むなか、資産の適切な配分が将来の生活設計を左右します。
土曜の夜、家計の収支を振り返ると、名目支出の増加と生活実感との乖離も指摘されています。2025年の家計調査によれば、2人以上世帯の月平均消費支出は31万4,001円となり、物価変動の影響を除いた実質でも3年ぶりにプラス(0.9%増)へと転じました。
しかし、その内訳は手放しで楽観できるものではありません。食費の比率を示すエンゲル係数は28.6%と、1981年以来44年ぶりの高水準を記録しています。食料の実質支出が1.2%減少している事実は、価格高騰に合わせて購入量や頻度を抑制せざるを得ない家計の適応を裏付けています。その一方で、旅行や自動車関連を含む「交通・通信費」は6.7%増と大きく伸びており、家計レベルでも「日常の節約」と「移動や体験への投資」という二極化の傾向が顕著となっています。
こうした消費行動の変化に対し、小売・サービス業界はサブスクリプションの導入やプライベートブランド(PB)の拡充で応えています。家計簿上の合計額を極端に増やさないよう容量や単価を調整しつつ、顧客の「限られた財布」を繋ぎ止める競争が激化しています。
また、家計管理の「手段」も変化しています。2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%(約141兆円)に達し、アプリ等を通じた支出の可視化が一般化しました。支出の正確な把握は、日本の家計が保有する2,286兆円(2025年9月末時点)に及ぶ金融資産の運用判断にも直結します。
現在、家計資産の約半分は依然として現預金ですが、新NISAの普及などを背景に、株式や投資信託へのシフトが着実に進んでいます。「週末に収支を確認し、余剰資金を将来の資産形成にどう振り分けるか」という習慣は、もはや単なる節約術ではなく、2,286兆円の資産を動かす、生活設計の根幹をなすテーマとなっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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