今回のニュースのポイント
・研究開発投資は過去最高水準を維持: 総務省調査によれば、2024年度の日本の研究開発費は約23.8兆円と、4年連続で過去最高水準を更新しています。名目GDP比3.70%は主要先進国でもトップクラスであり、その約7割を企業が負担する民間主導の投資が続いています。
・特定分野における高い世界シェア: 半導体製造装置(コーター・デベロッパー)で約9割、シリコンウエハーで約5割強のシェアを占めるほか、フォトレジストでも世界市場の大半を日本企業が占めるとされます。サプライチェーンの上流で重要な役割を担っています。
・製造業が付加価値と雇用を牽引: 製造業が生み出す付加価値は直近でおおむね111兆円前後に達し、1990年代以降の平均を上回る水準です。地域経済圏の中核として、大規模な拠点投資が数万人規模の雇用や税収を支える構造となっています。
日本経済に対して「低成長」というイメージが語られる一方で、企業活動の現場では継続的な投資と技術蓄積が行われています。総務省の調査によれば、2024年度の国内研究開発費(R&D)は約23.8兆円と、4年連続で過去最高水準を更新しました。対名目GDP比3.70%という数字は、技術投資を重視する企業活動を背景に、長期的な競争力の土台を固めている現状を示しています。
投資の内訳は、輸送用機器や電子部品、医薬品といった基幹分野が中心です。さらに、政府が戦略分野に掲げるAI、バイオ、量子技術向けのR&D投資も、2024年度には合計でおおむね1兆円規模(AIは約3,000億円台、バイオは約5,000億円台、量子は約1,000億円台)へと拡大しており、新領域への地盤づくりが進められています。
こうした投資の成果は、世界のサプライチェーンにおける存在感として現れています。特に半導体関連では、コーター・デベロッパーで約9割、シリコンウエハーで約5割強の世界シェアを日本企業が握るとされ、フォトレジストにおいても世界市場の大半を占めているのが現状です。また、工作機械においてもアジア向け需要が過去最高を更新するなど、外貨獲得と高付加価値雇用の重要な源泉となっています。
製造業が生み出す付加価値は、直近でおおむね111兆円前後に達しており、これは1990年代以降の平均(おおむね102兆円前後)を上回る水準です。全国の雇用の約15%を抱える製造業の集積地では、大企業の工場投資などがサプライチェーン全体を通じて数万人規模の雇用や地域インフラを支える経済効果を生んでいます。
今後は、精密加工や材料技術といった既存の強みを、EV電池や脱炭素(GX)といった成長分野へいかに結びつけられるかが焦点となります。DXやAI活用による労働生産性の向上が進めれば、この産業的な厚みをもう一段引き上げる余地があるとの分析も増えています。日曜の朝にこうした構造的な側面を確認しておくことは、ニュースを読み解く視点を深め、日本経済を読み解く視点づくりにおける重要な手掛かりとなります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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