今回のニュースのポイント


・縮まらない日米利回り格差: 2026年2月時点で、米10年債利回りは4%前後、日本10年債は2%強で推移しています。米国の政策金利は3%台半ば、日本は0.75%程度と短期金利でも大きな差が残っており、低金利の円を売る「円キャリートレード」の圧力が継続しています。


・投資家動向に左右される市場構造: BIS(国際決済銀行)の統計では、為替市場の取引の大半を銀行やヘッジファンドなどの金融機関が占めています。輸出入企業などの「実需」取引の比率は相対的に小さくなっており、為替レートは投資家のポジション動向に左右されやすい構造です。


・市場の予測と現状分析: 複数の為替ストラテジストが、2026年のドル円レンジをおおむね145~160円程度とみるレポートを出しています。一部のリサーチでは、実質金利差から見て現在の水準は割高(円安)との指摘もあり、今後の政策乖離の縮小が焦点となります。


 外国為替市場において、ドル円相場は1ドル=159円前後という、数十年ぶりの歴史的な円安圏で推移しています。現在進行している円安は、単なる一時的な需給の偏りではなく、日米の金利差や国際的な資金フローの変化といった要因が重なった結果であると分析されています。


 背景にある最大の要因は、日米の金利格差です。2026年2月時点で、米国の政策金利は3%台半ば、対する日本は0.75%程度となっており、長期金利(10年国債利回り)でも開きが存在します。物価上昇率を差し引いた「実質金利」で見ても日本の低利回りが際立っており、相対的に利回りの高いドル資産へ投資を促す行動が円安圧力を生んでいます。


 為替市場の構造変化も、現在のトレンドに影響を与えています。BISの統計によると、為替市場の取引の大半を銀行やヘッジファンドなどの金融機関が占めています。輸出入に伴う実需の取引比率が相対的に低下するなか、金利見通しや地政学リスクに敏感に反応する投資マネーが、ドル円のボラティリティを高める主な要因となっています。


 この円安は、日本国内において「輸出企業の円換算利益の押し上げ」と「輸入コスト上昇による物価高」という二面性をもたらしています。政府・与党内では家計負担への懸念から、当局による為替介入の可能性を示唆した牽制が断続的に行われています。しかし、日米の経済成長率や金利差といった基礎的な条件の差が埋まらない限り、トレンドの転換には時間を要するとの見方が有力です。


 今後の見通しについて、複数の為替ストラテジストが、2026年の想定レンジをおおむね145~160円程度とするレポートを出しています。一方で、一部のリサーチでは、日米の実質金利差などに照らして「現在の水準は円安方向に乖離しており割高である」との指摘もなされています。今後、日銀による政策正常化のペースと、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始時期が一致するタイミングが、為替トレンドの転換点を確認する指標となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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