今回のニュースのポイント
・家計負担は「最大年約9万円」の増加: 円相場が160円近辺で推移した場合、平均的な家計の年間負担額は前年比で数万円から約9万円増えるとの民間シンクタンクによる試算が出ています。円安が生活コストを押し上げる構図が鮮明です。
・エンゲル係数、44年ぶりの28.6%: 食料品や電気代の急騰により、家計支出に占める食費の割合(エンゲル係数)が2025年に28.6%と、1981年以来44年ぶりの高水準を記録しました。
・賃金の伸びを打ち消す「輸入インフレ」: 2024年の名目賃金は33年ぶりの高い伸びを記録しましたが、インフレ率に届かず、実質賃金は3年連続のマイナス。円安による物価高が、賃上げの効果を相殺しています。
為替市場で1ドル=160円をうかがう展開が続く中、私たちの生活実感は「かつてないコスト高」に直面しています。円安は輸出企業やインバウンドには追い風となりますが、エネルギーや食料の多くを海外に頼る日本の構造上、その負の側面は「円建て輸入価格の跳ね上がり」という形で家計や中小企業に広く、重くのしかかっています。
具体的な数字がその深刻さを物語っています。民間シンクタンク等の試算によれば、円相場が年間を通じて160円水準で推移した場合、1世帯あたりの年間支出は前年より最大で約9万円増加する見通しです。各種アンケートでも、多くの世帯が物価上昇を実感していると回答しており、その中でも「食費」や「電気代」といった生活必需の支出が負担の上位に挙げられています。
この影響を象徴するのが「エンゲル係数」の急上昇です。2025年に記録した28.6%という数値は、1981年以来44年ぶりの高水準であり、所得の中で食費と光熱費が占める比重がいかに高まっているかを示しています。これにより、耐久消費財や娯楽、衣料といった「生活を豊かにする支出」を切り詰めざるを得ない世帯が増えており、家計の“圧迫感”は深刻です。
企業側も苦境に立たされています。
今後の焦点は、政府による激変緩和策がいつまで、どの程度の規模で維持されるか、そして何より「賃上げが物価を追い越せるか」にかかっています。円安と国際相場のダブルパンチによるコスト増を、生産性の向上と付加価値の創出で吸収し、実質賃金をプラスへと転換できるか。日本経済の底力が試される局面と言えます。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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