今回のニュースのポイント
・名目と実質の「深い溝」: 大企業を中心に5%近い高い賃上げ率が続いた一方、物価変動を考慮した実質賃金は2025年通年で前年比1%強の減少と、4年連続のマイナスが見込まれています。家計の購買力低下に依然として歯止めがかかっていません。
・「天引き」の重圧: 厚生年金や健康保険などの社会保険料は、標準的な会社員の場合、労使折半後の本人負担分だけで給与のおおむね1割台半ばに達します。名目賃金が上がると税率段階が上がる累進課税の影響もあり、昇給分の一部が公的負担の増加に吸収される構造です。
・防衛的な家計行動: 可処分所得が伸び悩む中、家計調査では食料や日用品の切り詰めが鮮明です。将来の社会保障負担への不安から貯蓄率が高止まりしており、個人消費の力強い回復を妨げる要因となっています。
「賃上げのニュースは聞くが、生活が楽になった実感がない」――。こうした会社員層の悲鳴は、統計データからも裏付けられています。2025年の春闘では歴史的な賃上げが実現したものの、物価上昇と公的負担の増大がそれを上回る速度で家計を浸食しており、実質的な「手取り(可処分所得)」は停滞を続けています。足元の統計でも、実質賃金は前年をやや下回る水準で推移しており、4年連続のマイナス圏が見込まれています。
手取り実感を損なわせている大きな要因は、目に見えにくい「制度的負担」です。日本の社会保険料率は長期的に上昇傾向にあり、厚生年金や健康保険などを合わせると、標準的な会社員の場合、給与のおおむね1割台半ばが自動的に差し引かれます。さらに所得税は累進構造のため、名目賃金が上昇して上の税率区分に入ると、増分に対する手取り額の比率が低下します。基礎控除などの見直しが限定的な中で、「働いて給与が増えるほど、負担感が増す」というジレンマが生じています。
また、企業の賃上げの中身も影響しています。基本給を底上げする「ベースアップ(ベア)」だけでなく、一時金や諸手当での調整に留まるケースも多く、これらは残業代の計算基礎や将来の年金額への反映がベアほど大きくありません。また、社会保険料の算出根拠となる「標準報酬月額」の仕組みにより、一定の昇給が保険料ランクの上昇を招き、結果として毎月の手取り額が微増、あるいは横ばいに留まる現象も起きています。
こうした状況下で、多くの世帯は「生活防衛」に走っています。エネルギーや食料品価格の高止まりを背景に、日々の消費支出を抑制し、将来の増税や保険料負担に備えて現金を確保する傾向が強まっています。政府内では所得減税などの対策も講じられていますが、社会保障制度の維持という財源問題とのトレードオフが続いており、抜本的な解決には至っていません。
今後の焦点は、単なる名目賃金の上昇だけでなく、生産性向上を原資とした「手取りを増やすための分配構造」への転換です。賃上げ率という「入り口」の数字だけでなく、可処分所得という「出口」の数字をいかに改善できるかが、日本経済のデフレ脱却を本物にするための重要な節目となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)
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