今回のニュースのポイント
・管理職の時間は「会議」に費やされる: 海外の複数の調査では、マネジャー層が業務時間の50%前後からそれ以上を会議に費やしている実態が報告されています。例えば、Fellowの会議調査などによると、欧米の上位管理職は勤務時間の約半分を会議に充てているとのデータもあります。
・「生産性の低い会議」が週1営業日分: 日本を含む各国で、従業員が週あたりおおむね1営業日分に相当する時間を、参加者自身が「生産性が低い」と感じる会議に費やしているとの調査結果も報告されています。Stepstoneの従業員調査では、フルタイム従業員が不要な会議や繰り返し作業など生産性の低い活動に週平均8.7時間を使っているとされています。
・「会議への参加=仕事」という評価: 会議が減らない背景には、多くの出席者との根回しや合意形成を重視する文化に加え、管理職が会議に出席すること自体が「仕事をしている」と評価されやすいインセンティブ構造も影響しているとの指摘があります。
「今日も会議だけで一日が終わってしまった」。多くのビジネスパーソンが抱くこの実感は、決して大げさなものではありません。Fellowの会議調査など複数の報告でも、管理職(マネジャー層)が一週間の労働時間の半分前後を会議に費やしている実態が示されています。
欧米の調査では中間管理職が勤務時間の約3~4割、上位管理職が約5割を会議に充てているとの結果もあり、この傾向は働き方のデジタル化が進んだ現在も解消されるどころか強まりつつあります。特にオンライン会議の普及により、短時間の会議が一日に何度も設定されることで、深く集中して作業する時間が奪われる「細切れ化」の弊害が深刻化しています。
会議が減らない要因の一つとして、日本の多くの企業で見られる「合意形成のプロセス」が挙げられます。重要な決定を下す際、関係部門すべてを一堂に集めて「根回し」や「確認」を行うことが標準的な手順となっており、メールやチャットでの非同期なコミュニケーションだけでは完結させにくい文化が残っています。また、リモートワークの普及によって、かつてはデスク越しに済んでいた数分の確認作業までが「30分のオンライン会議」に置き換わったことも、会議本数の増大に拍車をかけています。
こうした「会議への依存」は、数字となって生産性を押し下げています。Stepstoneの従業員調査などの海外の知見では、ビジネスパーソンが週あたり数時間から1営業日分に相当する時間を「生産性の低い会議」に費やしているとされています。例えば欧州の調査では、従業員が不要な会議や非効率な業務に週平均8~9時間を費やしているとの結果があり、別の分析でも週18時間の会議のうち約3分の1が非効果的と試算されています。日本の時間当たり労働生産性がG7最下位に甘んじている背景には、こうした非効率な時間の使い方も課題の一つであるという指摘は、日本生産性本部などの国際比較でも繰り返されています。
一方で、先進的な企業では「会議の選別」という抜本的な改革も始まっています。単なる情報共有はチャットや共有ドキュメントへのコメントで済ませ、会議は「意思決定」と「アイデア創出」に特化させる。参加人数を絞り、意思決定権者のみに限定するといったルール作りです。デジタルツールの活用によって、会議そのものを「開催しない」選択肢が現実味を帯びてきています。
会議を減らすことは、単なる時間の節約ではなく、組織の意思決定のスピードを上げ、社員の集中力を取り戻すための戦略的な投資です。「会議に出ている=仕事をしている」という古い評価基準を見直し、アウトプットの質で生産性を測る文化への転換が、日本企業にとって今まさに問われています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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