今回のニュースのポイント


・スタジアムを拠点とした飲用シーンの開拓: 白鶴酒造がLA Galaxyとパートナー契約を締結。レストランやバーといった従来の販路だけでなく、スポーツ観戦というカジュアルな娯楽空間に日本酒を持ち込むことで、現地消費者の生活動線への浸透を図っています。


・現地文化に寄り添う「和×ラテン」の提案: メキシコから伝わり米国で浸透しているお米の飲料「オルチャタ」と、同じく米を原料とするにごり酒を組み合わせたカクテルを開発。現地の味覚トレンドに合わせたローカライズ戦略を展開しています。


・カクテルを通じた低アルコール・親しみやすさの訴求: 飲みやすさに定評のあるにごり酒(もしくは日本酒)「さゆり」をベースに、現地の嗜好に合わせたカクテルを提供。新たなマーケティング手法として、日本酒の販路拡大が期待されます。


本文


日本酒の海外評価が高まっています。和食ブームを背景に、日本酒は米国や欧州のレストランやバーで取り扱いが広がり、輸出量も年々増加しています。こうした中、日本酒メーカー各社は現地市場に合わせたマーケティングを強化しており、販売チャネルや飲用シーンの拡大が重要な課題となっています。


 そうした取り組みの一例が、酒造大手の白鶴酒造によるスポーツマーケティングです。同社は2025年から2027年シーズン終了まで米プロサッカーリーグ(MLS)の強豪クラブLA Galaxyとオフィシャル日本酒パートナー契約を結び、本拠地スタジアムで日本酒を提供する取り組みを進めています。スタジアムという娯楽空間に日本酒を持ち込むことで、現地の消費者に身近な飲み物として認知を広げる狙いがあります。


 2025年度からホームスタジアム「ディグニティ・ヘルス・スポーツパーク」では、米国市場で人気の「上撰 白鶴 純米にごり酒 さゆり(米国名:Sayuri Nigori Sake)」を使ったカクテル「さゆりマルガリータ」などが提供されています。
スタジアムで提供されている「さゆり」は、米国の小売市場でにごり酒部門の売上1位(IRI2024年調べ)の人気商品です。

2025年シーズンには延べ約2000人の観客に対し、約1100本が提供され、観客からは「クリーミーで飲みやすい」といった感想が寄せられています。
 2026年シーズンからは、新たにオリジナルカクテル「サケ オルチャタ」も登場します。「オルチャタ」はスペイン発祥の清涼飲料で、スペイン語圏の南米にも普及し、メキシコでは米を原料にシナモンなどで香り付けした乳白色の甘い飲料として広く親しまれています。米国にはメキシコ経由で伝わり、近年人気が高まっています。米を主原料とする日本酒と共通点があることから、にごり酒「さゆり」をベースに「和×ラテン」のカクテルとして開発されました。シナモンでLA Galaxyのロゴを描くなど、見た目の演出も特徴です。


 オルチャタは近年、米国の飲食市場でも存在感を高めています。レストランメニューへの掲載率は2024年までの4年間で約24%増加したとされ、大手コーヒーチェーンでもオルチャタを使ったメニューが登場しています。植物由来の甘い飲料として、若い世代を中心に人気が広がっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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