今回のニュースのポイント:


・米株急落とインフレ再燃懸念: 中東情勢悪化でブレント原油先物が1バレル110ドルを突破。米長期金利も4.4%台へ上昇し、FRBの利下げ観測が後退。

S&P500はおよそ6カ月ぶりの水準まで下落するなど、リスク資産への売り圧力が強まっている。


・日本株への波及と為替の相克: ドル円は159円台前半と、2022年の円買い介入水準(151円前後)を大きく上回る歴史的な円安水準にある。しかしグローバルなリスクオフ局面では、指数先物主導の機械的な売りが指数を押し下げる懸念が勝る。


・5万3,000円の大台維持が焦点: 直近の重要サポートラインである5万3,000円台前半を維持できるかが、短期調整で済むか、一段の調整局面入りかを見極める分水嶺となる。


 週明け23日の東京株式市場は、投資家の忍耐が試される神経質な幕開けとなりそうです。


 先週末の米国株式市場では、主要3指数がそろって大幅に続落しました。中東情勢の緊迫化を背景にブレント原油先物価格が1バレル110ドルを突破したことで、インフレ再燃への警戒感が急拡大。米長期金利は4.3~4.4%台へと上昇し、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ観測は大きく後退しました。この結果、ダウ工業株30種平均は4週連続安、S&P500種株価指数はおよそ6カ月ぶりの水準まで下落するなど、「高金利の長期化」に対する不安がリスク資産全般の手じまい売りを加速させています。


 東京市場においても、この米株安の流れを引き継ぐ形での下値模索が避けられない見通しです。為替市場ではドル円が159円台前半と、2022年の円買い介入水準(151円前後)を大きく上回る歴史的な円安水準にあります。本来であれば輸出企業にとって採算改善の追い風となりますが、これほどのグローバルなリスクオフ局面では、買い材料として十分に評価されにくい可能性があります。

むしろ、年初から上昇が目立っていたハイテク・グロース銘柄や、高PER(株価収益率)銘柄に対する海外投資家の利益確定売りが、指数を押し下げる要因となりそうです。


 足元の世界同時株安は、指数先物やETFを通じた機械的な売りを伴っているとみられます。日本株においても、日経225先物の売りが現物指数を押し下げる構図が意識されやすく、海外勢が米欧株とセットで日本株のポジション調整を進める動きに警戒が必要です。


 一方で、日本企業の業績や国内景気のファンダメンタルズそのものに急変は見られません。今回の下落を「金利と地政学リスク主導のバリュエーション調整」と捉えれば、中長期的な投資家にとっては押し目形成の好機と見る向きもあります。株価の大幅調整が続けば、企業の設備投資や個人消費に慎重姿勢が強まる懸念もありますが、現時点では過度な悲観を抑制する動きも想定されます。


 今後の焦点は、アジア時間における米株先物の反発の有無、そして原油価格と米長期金利の一服感にあります。また、為替が160円の大台を意識して一段の円安に進む場合、政府・日銀による為替介入への警戒感も高まるでしょう。テクニカル面では、5万3,000円台前半が極めて重要なサポートラインとして意識されています。この水準を明確に割り込むことなく自律反発に転じられるかどうかが、今週の相場全体のトーンを決定づけることになりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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