今回のニュースのポイント


・4月1日から11日間の「非常用財布」: 2026年度の本予算(当初予算)が年度内に成立しない見通しとなったため、4月11日までの11日間を対象とする8.56兆円規模の暫定予算が編成されました。


・義務的経費に加え「一部新規」も: 年金や医療などの義務的経費が中心ですが、今回は例外的に「高校授業料の実質無償化拡充」や「給食費支援」など一部の新規施策も先行して盛り込まれています。


・憲法規定による本予算の行方: 暫定予算で当面をしのぐ一方、本予算についても憲法60条の規定により、4月中旬までに成立する可能性が高いとみられています。


暫定予算が決まった意味


 暫定予算が衆院で可決され、当面の政府支出の枠組みが決まりました。 本予算が年度内に成立しない見通しのなかでも、年金や医療、公務員給与、公共サービスなど、一日たりとも「止められない支出」を停滞させないための最低限の予算が確保された形です。いわば、国の運営をストップさせないための「非常用財布」といえる存在です。


本予算成立までの「つなぎ措置」


 日本の予算制度では、本来4月1日の年度開始までに「本予算(当初予算)」を成立させるのが原則です。しかし、審議の長期化などで年度内成立が間に合わない場合、財政法30条に基づき、本予算が成立するまでの空白期間を埋める「暫定予算」を編成します。今回の暫定予算は、4月1日から11日までの11日間を対象とする短期間の「つなぎ」となっています。


歳出の範囲・期間・制約


 暫定予算はあくまで本予算成立までの橋渡しであるため、その内容には一定の制約があります。


・計上される主な経費


1.社会保障(年金、医療・介護給付、生活保護費など)


2.公務員給与


3.継続中の公共事業や地方交付税など、法令や契約上の義務的経費


・2026年度の特例: 原則として新規政策は盛り込めませんが、今回の暫定予算には「高校授業料の実質無償化拡充」や「給食費支援」など、一部の新規支援策が先行して盛り込まれているのが特徴です。


後に本予算が成立した時点で、暫定予算で執行された分は本予算に吸収・合算される仕組みとなっています。


社会・経済への影響:公共サービスと経済活動


 今回の暫定予算は期間が11日間と短く、必須経費に加えて一部の新規支援策も含まれているため、直ちに大規模な行政停滞が起きる可能性は低いとみられています。年金支給や病院での公的負担、学校・警察・消防といった公共サービスも途切れることはありません。


 一方で、本予算が動き出すまでは、新規の大型事業や補助金の本格実施を見送る自治体や企業が出かねないという側面もあります。経済全体としては、本予算による「1年間の政策パッケージ」が確定するまでは、新たな投資や事業計画のアクセルを全開にしにくい環境が一時的に続くことになります。


今後:参院審議と本予算の行方


 暫定予算は今後、参院での審議・採決を経て正式に成立し、4月からの執行が可能になります。これと並行して、年度全体の骨格を決める「本予算案」の審議も参院で継続されます。


 憲法60条は、「衆議院通過後30日以内に参議院が予算案を議決しない場合、衆議院の議決が国会の議決となる」と定めています。今回もこの規定により、本予算の成立時期はおおむね4月中旬までと見通せる状況であり、成立する可能性が高いとみられています。本予算が成立すれば、防衛費や子育て支援など、今年度の主要政策が全面始動することになります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)

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