原子力規制委員会は18日、東京電力福島第一原発事故で増え続けている放射能汚染水のALPS処理水(放射性物質トリチウムは除去されていない水)を100倍に希釈して海洋に放出する東電の計画「審査書案」を了承した。
19日から「審査書案」に対する『科学的・技術的意見』の公募を始めた。
委員会は「ALPS処理水の希釈処理及び希釈状態の評価について、通常運転時にあっては海水配管ヘッダ及び海水配管において、ALPS処理水が海水で十分に希釈されることを確認した。ALPS処理水希釈放出設備についてはALPS処理水のみを取り扱うことから遮蔽機能を必要としないこと、また、漏えいを防止するため耐食性に優れた材料を使用すること、漏えいのおそれのある箇所については漏えい検知器や堰を設置することなどにより、漏えい及び漏えいによる汚染の拡大が適切に防止されることを確認した」としている。
東京電力は「ALPS処理水の取扱いには政府の基本方針を踏まえた取り組みを徹底し、関係者の皆さまのご意見を丁寧にお伺いし、さらなる安全確保を図っていく」との姿勢を示している。
東電は「ALPS処理水希釈放出設備は通常運転~停止の他『意図しない形でのALPS処理水の海洋放出」に至るおそれのある事象等が発生した場合は緊急遮断弁の自動作動又は運転員の操作により、速やかにALPS処理水の海洋放出を停止する。
通常停止では(1)ALPS処理水希釈放出設備及び関連施設に影響を及ぼしうる自然現象等が発生した場合=自然現象では震度5以上の地震、津波注意報、竜巻注意報、高潮警報のいずれかが出た場合(2)海域モニタリングで異常値が検出された場合(3)その他当直長が必要と認める場合を想定。
緊急停止ではALPS処理水流量計の故障や海水流量計の故障、放射線モニタ高などをあげている。
東電は「ALPS処理水の海洋放出でのトリチウム放出量を年間22Bqの範囲内とする」とする。一方で「福島第一原子力発電所全体のリスク低減に資する観点から廃炉に向けた全体リスクを考慮してトリチウムの年間放出量を見直していく」としており、どのように見直すのかは注視する必要がある。
東電は海洋放出のALPS処理水を海水で100倍以上に希釈し、移送設備で沿岸から1キロ沖合で放出する計画。ALPS処理水の最大流量は日量500立法メートル。海水移送ポンプは1台あたり日量17万立方メートルの能力があり、海水移送ポンプ1台稼働していれば340倍の希釈が可能と説明している。(編集担当:森高龍二)





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