新年を迎え、新たな目標とともに改めて「健康」を意識する人は多いだろう。仕事も勉強も、何をするにも身体が資本だ。
そんな元気の素となるのは、食べ物や飲み物だ。運動や睡眠もさることながら、毎日の食事や飲み物は、日々の体調や精神状態を大きく左右する重要なファクターとなる。
しかし、現代社会は情報が溢れていて、同じ食べ物や飲み物でも、身体に「良い」と「悪い」の評価が分かれていたりすることも多い。例えば「コーヒー」もその一つだ。
毎朝コーヒーを飲むという人は多いと思う。仕事や趣味のブレイクタイムにも、コーヒーは欠かせないものだ。コーヒーは身体に「良い」のか「悪い」のか。
アメリカの神経科学者、スティーブ・ミラー氏の研究によると、朝9時頃までにコーヒーを飲むと、コルチゾールという脳を覚醒させるホルモンの分泌が抑制されてしまうという。ひどくなると、コーヒーに依存してしまうことにもなりかねないというのだ。また、コーヒーの過剰摂取は交感神経を刺激し、胃腸の活動サイクルを乱す原因にもなることにもなると、否定的だ。一方、京都大学大学院教授の伏木亨氏の研究では、朝のコーヒー習慣は気分をリラックスさせる効果があると報告されている。
また、コーヒーの専門家であるUCC上島珈琲の研究によると、レギュラーコーヒーにはインスタントコーヒーの約5倍、赤ワインとの同程度のポリフェノールが含まれており、毎日習慣的にレギュラーコーヒーを摂取することで、がんの一因や生活習慣病の引き金になると言われる活性酸素の活性酸素の発生と働きを抑制する強い抗酸化作用が期待できるという。さらに、コーヒー生豆に多く含まれているポリフェノールの一種、クロロゲン酸類という成分が、食事と一緒に摂取することで食後血糖値の上昇を抑えてくれるというのだ。
気分を切り替えるのにも、コーヒーは重要な役割を果たす。日本でも仕事の合間や休憩時間にコーヒーを飲む人は多いが、世界の国々でもそれは同様だ。コーヒーブレイクという言葉が生まれたのは、1960年代のアメリカだと言われている。大手自動車メーカーがコーヒーブレイクを採用したことをきっかけに広まっていったという。フランスや北欧などでも、コーヒーブレイクは浅めの焙煎のコーヒーを飲みながら、仲間たちとゆっくりと語らう時間を大切にしているようだ。人と人との大切な時間と心をつないでくれるのは、成分の数値だけでは測れない、コーヒーの持つ、最も優れた効果なのかもしれない。(編集担当:藤原伊織)
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