近年、戸建住宅の二極化が加速している。高度成長期のような絶対的な土地神話は今の時代には通用しないとはいうものの、それでもやはり、都心部を除けば依然として、戸建て住宅の人気は高い。
二極化の背景をみてみると、一つには少子高齢化の問題が挙げられる。住宅を子世代に遺す財産としてではなく、自分たち世代のみが住まうための純粋な住居として割り切り、老後は高齢者施設などへの移住を考えたりする人が増えているのだ。その一方で、今年1月に課税強化された相続税への対策などをきっかけに、都市部を中心に二世帯住宅や賃貸・店舗併用型住宅などの需要も増加している。さらに、昨年あたりからの景気回復気運の高まりや、雇用と所得環境改善の継続、また住宅取得資金贈与の非課税枠拡大やフラット35Sの金利優遇幅拡大、省エネ住宅ポイント制度の施行等、政府による住宅取得支援策が打ち出されたことなども追い風となって、資産価値の高い住宅取得への関心も高まっている。
二極化が進むにつれ、住宅メーカーも選択を迫られているのが現状のようだ。近年の商品は、これまでのように広く浅くではなく、メーカーの特色やターゲット層をより明確に打ち出したものが増えている。
例えば、積水ハウス<1928>などは、今まで以上に高級路線に力をいれているようだ。同社はこれまでにも、重厚感のあるオリジナル外壁材「ダインコンクリート」を用いた鉄骨住宅「イズ・シリーズ」や、木造住宅「シャーウッド」など、高級注文住宅の実績は高く、イズ・シリーズは発売から30年以上、シャーウッドも今年で20年と歴史も長い。8月1日には、「イズ・シリーズ」で「ダインコンクリート」の陰影を際立たせて重厚感を強調した新柄や「シャーウッド」の新商品を投入するなど、商品強化を図っている。
住友林業<1911>や旭化成<3407>などの主要メーカーも高級路線に傾倒し始めている。
例えば、積水ハウスのシャーウッド20周年記念モデル 「グラヴィス・ヴィラ」は、部屋ごとの天井高を自由に変更できる新技術により、都市部の限られた土地でも、天井高約3.7mものリビング「ハイラウンジ」やその上部空間も高さのある居室空間を提案できるのが特徴だ。
住宅に対する考え方は人によって様々だが、どちらにしても安い買い物ではない。高級住宅にしろ、ローコスト住宅にしろ、それぞれのライフスタイルや価値観に合う価値のある物が求められていることだけは確かだ。次の消費税増税が2017年に予定されている今、駆け込みで失敗しないためにも、今のうちにしっかりとメーカーごとの「価値」を見極めながら、じっくりと考えたいものだ。(編集担当:松田渡)

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