加藤勝信官房長官は6日の記者会見で、日本学術会議の会員推薦を巡り、菅義偉総理が5日の参院予算委員会で「以前から日本学術会議会長から事前に内閣府と(会員推薦について)調整していたが今回はなかった。そのため任命しないものが出た」などと答弁したことに対し、野党から、事前に調整すること自体が日本学術会議法に反する行為との指摘が出ているが、と記者団に聞かれ「わたしも、会長と内閣府の間で意見調整がなされていたことを承知している」とした。


 そのうえで、加藤氏は「日本学術会議法に則って適切に運用していく必要がある。それを前提にした『意見交換』はなされていた」などと述べ、適法の範囲内のものと主張して「何ら問題ない」と強弁した。


 また野党が6人の会員任命拒否に深くかかわっていたことが明らかになっている杉田和博官房副長官(内閣人事局長)の国会招致を要求していることに関しての記者団の質問に答え、「(招致するか、どうかは国会がお決めになることなので、国会がお決めになったことに対して、我々は適切に対処していく」と、政府として積極的に説明させる姿勢は全く見せず、与党側が野党側の杉田氏招致要求に応じないことを踏まえたような通り一遍の返答をした。(編集担当:森高龍二)