株式会社山田養蜂場は、ハンブルク大学医学部の丸田浩教授と共同研究を行い、ブラジル産プロポリスとその主成分のアルテピリンCが、特定疾患のひとつである神経線維腫を抑えることをマウスを使った試験で確認した。さらに、その作用のメカニズムのひとつとして、がん細胞の増殖に関わるタンパク質"PAK1"の活性を抑えることも明らかにした。


 神経線維腫症とは、がんの一種である神経線維腫をはじめとして、神経や皮膚を中心に異常が起こる病気のことをいう。これには1型と2型の2つのタイプがあり、1型は体の神経線維にできた腫瘍により皮膚にできものやしみがいくつも作られ、骨の変形や感覚傷害、身体的苦痛が生じる。2型は耳の器官を支配する神経に腫瘍ができ、難聴やめまいを引き起こす。現在、完治させる治療法は見つかっておらず、発症の原因の約半数が遺伝、さらに遺伝子の突然変異でも起こるといわれている。

 今回の研究ではまず、神経線維腫の細胞をマウスに移植し、溶媒のみ(プロポリスなし)、プロポリスエキス(プロポリス:500mg/kg)または、アルテピリンC(アルテピリンC :50mg/kg)のいずれかを与えた。移植4日後と25日後に腫瘍の大きさを比較したところ、溶媒のみを与えたマウスは腫瘍が4倍も大きくなったのに対して、プロポリスエキスおよびアルテピリンCを与えたマウスでは腫瘍の大きさに変化が見られなかった。このことから、プロポリスエキスおよびアルテピリンCにより、マウスにおける神経線維腫の細胞の増殖が抑えられたといえる。次に、細胞を増やす働きを持つタンパク質であるPAK1を多く発現する細胞(正常ヒト臍帯静脈内皮細胞)にプロポリスエキスを加え、細胞内で活性化しているPAK1(活性型PAK1)の量を調べた。すると、プロポリスエキスによって活性型PAK1が減少した。続いて、正常ヒト臍帯静脈内皮細胞にアルテピリンCを加え、PAK1により活性化するタンパク質であるRaf‐1(活性型Raf‐1)の量を調べると、活性型Raf‐1が減少。つまり、プロポリスエキスおよびアルテピリンCはPAK1経路の活性を抑えることがわかった。

 以上の結果より、ブラジル産プロポリスおよび主成分のアルテピリンCに神経線維腫の予防や治療の効果がある可能性が示された。
さらに、PAK1経路の活性を阻害することによって、神経線維腫を抑えることも示唆された。このことから、神経線維腫以外のがんに対しても予防・治療効果があると考えられる。今後も同社は、安心・安全で効果的な商品開発を進めていくとともに、様々な疾患に対するプロポリスなどのミツバチ産品の予防効果について、研究を行う考えだ。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:山下紗季)
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