コロナ禍の影響もあり、ここ1年で多くの著名人が自身のチャンネルを立ち上げ、YouTubeに参入してきた。再生回数、登録者数だけを見てみると、成功しているチャンネルもあれば、テレビの知名度ほどには数字が伸びていないチャンネルもある。
そんな中、尖った企画を連発し、再生回数を伸ばしているチャンネルがある。さらば青春の光の公式YouTubeチャンネルだ。

多くの著名人が郷に入っては郷に従えと、まずはYouTubeの定番、ルーティーン動画や地雷メイク動画にチャレンジする中、彼らは、「金塗り企画」(相方のバイクを金色に塗る)や「GPS企画」(相方のカバンにGPSを仕掛けて追跡する)などの企画で視聴者を獲得してきた。現在、チャンネル登録者数は35万3千人。公開する動画が100万再生を超えることも珍しくなくなった。

「テレビ」と「芸人」と「YouTube」、三者の関係性が大きく変わろうとしている今、自身のYouTubeチャンネルに企画出しから参加する、さらば青春の光・森田哲矢に話を聞いた。(前後編の後編)

【写真】300万再生突破、ドッキリで相方に金塗りにされた東ブクロのバイク

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――再生回数でいうとサムネイルの影響も大きいと思いますが、特にサムネイルが上手くいった動画は何でしょうか。

森田 キス(※『東ブクロとAマッソ村上が熱愛撮られたら100万円!!』)ですかね。U字工事さんに、「観ちゃったよ。サムネでキスしているから、そんなわけないだろうと思って観たら、本当にしてるんだもん。ドキドキしたよ」と言われました(笑)。

――Aマッソさんもそうですが、さらば青春の光のチャンネルには、ライスの関町さんや野呂佳代さん、ラランドの2人など、ゲストも登場します。
ゲストの人選はどうしているんですか?

森田 単純に企画に合った人ですね。たとえばライス関町さんに関しては、もともとオモロいことは分かっていたんですけど、あまり世間には知られていない。ちょうど自粛期間中に関町さんがインスタライブをやっていて、よく『梨泰院クラス』の話をしていたんですよ。これはオモロくなりそうだなと思ってやったのが『【時間がない方必見】大人気!梨泰院クラスを10分で全話観れちゃいます!』です。

――怒りながらも生真面目に『梨泰院クラス』のあらすじを説明するのが最高でした。

森田 そうなんですよ。「ふざけんなよ!」という普通の言葉が、関町さんのトーンだとオモロなるのがいいんですよね。

――頻繁にゲスト企画をやらないのには理由があるんですか?

森田 どうしても、このゲストが必要ってとき以外はやらないですね。だんじり(※『五反田だんじり祭り開催!!サラシのだんじりギャルも登場!!』)も野呂(佳代)さんか、納言の幸で行きたいなと思って、幸がツモれたらテキ屋でもやってもらおうかなと考えていたんです。ただ幸がスケジュールの都合がつかなくて、野呂さんからはOKが出たので、ああいう形になりました。

――オファーの段階で、野呂さんには企画内容を伝えていたんですか?

森田 「とりあえず来てくれたらいいです」とだけ伝えました(笑)。野呂さんもよくドッキリの対象になる人じゃないですか。
だから他にも温めている企画があります。

――芸人仲間からコラボしてほしいというオファーはありますか?

森田 けっこうありますね。ただ、相手のYouTubeチャンネルに出るのは全然いいんですけど、こっちに来てもらうからには、その人でオモロいことをせなあかんから、そこで企画が考えつかない限りはやりたくないんですよね。

――その辺もストイックですよね。単純に視聴回数が増えれば良しとしてないってことですもんね。

森田 そうですね。大体コラボって暴露話とかのトークが中心じゃないですか。そうじゃない何かをやりたいんです。たとえば、ずっとTKO木下さんからコラボをしてほしいと言われてるんですけど、それはそれで危険じゃないですか(笑)。向こうに出るのはいいんです。でも、こっちに来てもらうからには木下さんがオモロならないとあかんし、損をさせてはあかんなと。

――企業案件はいかがですか? 先ほど話に出た野呂さんゲストの「だんじり祭り」も実はオフィス用品の会社の企業案件でした。
ただ、内容的には、オフィス机を組み立て、それを神輿に見立て五反田で「だんじり祭り」を開催するというなんとも無茶苦茶な動画でもありました(笑)。

森田 あれは商品を提供していただいた「オフィスコム」さんが寛大で、「何をやってもいい」と言ってくれたからできたんです。

――ほかにも企業からオファーはあるんですか?

森田 結構な数来ますけど、好きにやられるのは困るということで、折り合いがつかない場合もあります。僕らはHIKAKINにはなれないですから。

――そこはストイックなんですね。

森田 観ている人たちを裏切るわけにはいかないですから(笑)。

――昨年8月22日放送の『ゴッドタン』(テレビ東京系)で行われた企画「YouTube芸人サミット」で、森田さんはYouTubeを始めた理由の一つに、「テレビバラエティのプレゼン」を挙げていましたが、その気持ちはまだあるんですか?

森田 これだけ観てもらえているなら、「このままテレビでやりませんか?」と言ってくれる人がおらんかなと漠然とは思っていますけど、今は金も稼げているしええかと(笑)。

――視聴者の男女比率はどうなんですか?

森田 始めたときは93%が男性、7%が女性でした。今は比率が変わってきて、81%が男性、19%が女性ですね。ありがたいことです。

――動画撮影で心がけていることや、これはやらないようにしていることなどはありますか。

森田 終わり時間を決めないことですね。
一回の撮影で3~4本撮れればいいやと10時ぐらいに集まって、1本ずつ撮っていって、ブクデリ(※『リアルブクデリ営業開始!!全国どこでもガチ配達!!』)みたいな時間の読めないものを最後に回します。あれは、ほんまに1発目の電話があった人の家にブクロがデリバリーする企画でしたからね。あとは特にないかな。うちは芸能界で一番コンプライアンスが緩いから(笑)。好き勝手やって、それが良い方向にいってるのかなと思います。

――今後の展望を教えてください。

森田 金をかけることがいいのかどうかは分からないですけど、もう少し資金力がついたら、金をかけた企画もやってみたいですね。あとは五反田でみこしをやったから、違うお祭りもやってみたいです(笑)。

――お二人は五反田商店街振興組合のPR大使も務めていますしね。

森田 「五反田五反田」って言いまくっていたら、かなり定着してきたみたいで、それが一つの色になってるんですよね。五反田は嫌味な街じゃなくて、ちょっと見下されるようなところがあるじゃないですか。そこも僕らっぽいなと思いますね。


【前編】森田哲矢に聞く、僕らがYouTubeをやる理由「本気で怒る人間ってオモロいじゃないですか(笑)」はこちらから

▽さらば青春の光Official Youtube Channel
「相方のバイクを勝手に金ピカに塗ってみた」「負けたら即引退】ゴルフ vs 手投げゴルフ!」「薬物疑惑芸能人を週刊誌に実名リーク!!」など様々な企画はもちろん、さらば青春の光のコント動画も数多くアップ。しずる池田とフルーツポンチ村上によるラジオ「アーバンブルーラジオ」も毎週水曜日に公開中。
https://www.youtube.com/channel/UCNvcNd31bA-XERO6LGy4blw

▽森田哲矢によるDIYサブチャンネル「五反田ガレージ」
https://www.youtube.com/channel/UC7Kfm5kIKZ8Vu_7_0DfW0Vw
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