(前後編の前編)
【写真】タロットカードをベースにした世界観で話題・ARCANA PROJECT
──芸能界に興味を持ったのは、どういうきっかけだったんですか。
天野 もともとアイドルが好きで、小学生ぐらいから友達とよく、でんぱ組.incさんのライブに行ってたんです。中学生になるとアニソンにハマって、どっちも好きになって、応援する気持ちで見ていたのが、自分もステージに立って、たくさんの人たちに名前を呼ばれたいなと思って。ちょうどアニソン×アイドルというARCANAのオーディションをやっていたので、サクッと応募しました。
──小学生ででんぱ組.incのライブに行くって早熟ですよね。
天野 周りは大人の男の人ばかりでした(笑)。日本武道館やホールツアーなど、いろいろ行ってましたね。ただ私が勧めたら、5人ぐらいの友達がハマって、みんなで行くこともあれば、1人で行くこともありました。
──でんぱ組.incのどこに惹かれたんですか?
天野 テレビでやっていたミュージックビデオ特集で『ちゅるりちゅるりら』を観て、今まで見てきたアイドルさんとは違ったので調べていくうちにハマりました。曲もかっこよいですし、ライブでのコールがすごくて、ネットで頑張って覚えて一緒にやってました。(笑)。
──アニメも好きなんですよね。
天野 でんぱ組.incさんにハマって、少し経ってからアニメも見るようになりました。学校の友達とマンガを貸し借りするうちに深夜アニメの存在を知って、『干物妹!うまるちゃん』をきっかけに可愛いアニメキャラにハマりました。周りに負けたくないって変な気持ちが湧いてきて、いっぱい知ってたほうが良いかなと思って、たくさんのアニメを見始めました。それからアニソンも聴くようになって、当時からLiSAさんが好きだったんですけど、特定のアニソンシンガーを追いかけるというよりは、アニメ中心に聴いてました。
──歌やダンスの経験はあったんですか?
天野 歌は特に何もやっていなかったんですけど、カラオケで歌うのは好きでした。友達の前だとノリノリで歌えるんですよね。ダンスは小学生のときに3年間、お母さんに言われて嫌々ヒップホップを習っていました。同時期にバレエも習っていたんですけど、どっちも楽しめずで……。習い事をさせるのが好きな親で、ピアノも5歳ぐらいから10年以上習っていました。先日、お母さんに言われたんですけど、うちの家訓が「歌って踊れる人間になれ」だったんですよ(笑)。お母さん以外の家族は誰も言ってない家訓ですけどね。
──ファンキーな家訓ですね(笑)。ということは、お母さんも歌やダンスは得意なんですよね。
天野 それが得意ってわけではなく、普通に歌って踊るのが好きなだけです。
──ピアノはどういう曲を弾いていたんですか?
天野 クラシックよりも映画やJ-POPの曲を弾くことが多くて、弾ける曲はけっこうあると思います。曲名を挙げると、『ボヘミアン・ラプソディ』とか『千本桜』とか。
──ピアノを習っていると発表会もありますよね。
天野 何度か出たことがあります。一回、ステージに出て行った瞬間、「なんだっけ?」って忘れてしまって、舞台袖にいる先生を見ながら弾いたことがあって。それぐらいあがり症でした。
──今もあがり症なんですか?
天野 そうですね。今インタビューを受けているのも緊張してます。ライブのMCも緊張して言うことを忘れてしまうので、ライブ直前までメモを読んでおかないと落ち着かないです。
──それだけあがり症で、よくこの世界に入ろうと思いましたね。
天野 たまたまアニソンを歌うボーカルユニットのオーディションがあると知って、どちらも私の好きなことだと思って、軽い気持ちで受けたんです。それが初めてのオーディションだったので、正直受かると思ってなかったです。面接でも緊張しすぎて固まってしまいましたからね。水樹奈々さんの『ETERNAL BLAZE』を歌わせていただいたんですが、質問で「水樹奈々さんよりも優れたところはありますか?」と聞かれたんです。どうしようと思って。そこで「ない」とは言えないかなと思って固まってしまったんです。そしたら審査してくれた方に「もういいよ」って言われて、終わったなと(笑)。
──確かに、それは落ちたと思いますね。自分ではどうして受かったと思いますか?
天野 何だったんでしょうね。メイクも一切しないですっぴんで受けたし……(笑)。ただ歌はちゃんと歌えたかなと思います。
【後編はこちら】ARCANA PROJECT 最年少・天野ひかる、「手ごたえを感じた」覚醒する才能
▽天野ひかる
タロットカードをベースにした世界観とメンバーの愛するアニメソング界に敬意を払いつつ、様々なジャンルの歌にチャレンジし続ける「ARCANA PROJECT」の最年少メンバー。最新シングル『たゆたえ、七色』が絶賛発売中。