古畑任三郎をはじめとする「誇張モノマネ」という独創的かつ破天荒な芸風を確立し、最近ではバイきんぐ、錦鯉ら「SMA芸人」の総帥として事務所所属芸人たちを引っ張るハリウッドザコシショウ。8月7日・8日のツーデイズで2年ぶりの単独ライブを控える遅咲き芸人のブレイクまでの道のりには、意外すぎる真実があった。
(前後編の前編)

【写真】「SMA芸人」の総帥・ハリウッドザコシショウの撮り下ろしカット

――去年はコロナ禍で恒例の単独ライブが開催されなかったそうですね。

ハリウッドザコシショウ(以下、ザコシ) 去年も箱(会場)は抑えていたんですよ。そしたらああいうこと(コロナ禍)になって。東京と大阪はだいたい1年前から抑えなきゃいけなかったんで、大損でした。配で無観客で開催っていうのも嫌で。それだと僕のやってるYouTubeと何も変わらなくなりますし。お客さんがいて、そこでウケるウケないっていうのがやっぱり僕の中での基準になるんですよ。それで去年は新ネタを試せなくて、正直なところこの1年間はテレビでも前のネタの焼き増しでやってきたところがありました。だからこそ今年は是が非でもライブをやりたい。会場の客席は50%に制限して開催します。

――視聴者はザコシショウさんのことを、正直、やりたい放題めちゃくちゃにやってる人、という風に見ていると思うんです。でも、そうではないんですね。


ザコシ スベったものを自分のストックにしてもしょうがないですから。そういう意味でもライブは本当に大事な場で。

――失礼ながら、そこまでちゃんと戦略を練っていらっしゃるとは思っていませんでした。

ザコシ 練ってますよ。例えば僕が古畑だけやっていたら今頃ここにいないです。売れたらそればっかり、っていうのが一発屋になる理由だと僕は思うんです。たまたま当たったのが誇張モノマネですけど、漫談もやってるしYouTubeもやってきたし、いろんなネタを並列で走らせてきましたから。誇張モノマネにしてもネタ尺3分の中でいろんな催しがあって、1個スベっても打開策があるようにしてますし。日々、弾は込めたほうがいいというか、日常的な鍛錬、ブラッシュアップはしていかないと。

――なんだか、ネタだけじゃなく裸にパンツ一枚で出るのも戦略のような気がしてきましたが……。

ザコシ そのほうがばかばかしいし見ている側も油断して刺さりやすくなりますからね。

――ブランディングの塊じゃないですか!

ザコシ 自分でも無駄はひとつもないと思ってますよ(笑)。


――16年の『R-1ぐらんぷり2016』も、そういう戦略的な狙いの元で獲ったんですか?

ザコシ 『R-1』は練りましたね。正直、仮に優勝できなくて翌年も出るようなことがあったら、もう絶対に獲れないって思ってました。3分の尺の中に僕はネタを8個入れたんですよ。それで、ファイナルステージで6個。合計で14個。順番も考えたし、1本目と2本目でネタの内容も変えて。これが、もし次の年に出ることになったら…17年はうちの事務所のアキラ(100%)が優勝しましたけど、やっぱりあの時の勢いには絶対に勝てていないと思うんです。16年のあの年にしか、ほんとに優勝できなかった。

――元・兵庫県議の野々村竜太郎議員の号泣ネタみたいな、ちょうどいいタイミングのネタもありましたしね。

ザコシ 時事を入れることによってちょっと深みが増すというか(笑)。これも戦略ですわ(笑)。ああいう旬のネタは爆発的にウケますから。


――以後、いろんなバラエティ番組に出ることになりましたが、そこで戦ってきたときの感想を効かせてください。

ザコシ 1年目はいろんなタイプの番組に出させてもらったんですけど、やっぱりスベるところではスベる。そんな中でも、「ここは絶対に外しちゃいけないな」っていう番組があるんです。そこさえ勝てれば次のステージがあるという。それが『水曜日のダウンタウン』(TBS系)だったり、『ドキュメンタル』(Amazonプライム・ビデオ)、『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)だったりってところですかね。

――活躍されてるところだと、あとは『さんまのお笑い向上委員会』(フジ系)とか?

ザコシ そうですね。でも『向上委員会』は『R-1』を獲ってからそんなに間を空けずに出て馬鹿ウケしたんですけど、なぜかそれから2年間呼ばれなかったんですよ。最近になってまた呼んでもらえるようになったんですけど。1回打ち合わせで「なんで呼んでもらえなかったんですか?」って番組スタッフさんに聞いたら「いやホントにたまたまだよ」って言われて(笑)。あー、たまたまなんすね、みたいな。そういうこともあるんですね(笑)。

(後編へ続く)

【後編はこちら】ハリウッドザコシショウが“SMA芸人”後輩を語る「吉本経験者のバイきんぐ、錦鯉は馬力が違う」

▽INFORMATION 
「ハリウッドザコシショウのミニ単独ライブシリーズSEASON⑫」

配信視聴チケット販売先URL
https://eplus.jp/zakoshisyoh-s/
※配信視聴チケット販売期限は2021年8月15日(日)22時00分まで

▽配信チケットお問い合わせ https://eplus.jp/streamingplus-userguide/

▽グッズ購入先URLアドレス https://www.rocket-exp.com/zakoshisyoh/
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