【写真】YouTubeと同じく、軽快なトークを交わすロザンの2人【5点】
――まずはYouTubeチャンネルを始めたきっかけからお聞きできますか?
菅 YouTubeを始める芸人さんが増えてきて、自分たちでも何かやれそうなことがないか考えたんです。いろいろな人に話を聞くと、スタッフさん入れたりすると、お金がすごくかかったりする。じゃあ、なしでやるにはどうしたらいいかっていうのを、むちゃむちゃ考えたんですよ。まあ考えるのが好きなんですよね。それで編み出したのがあれやったんです。
――時事・テレビ番組・舞台・私生活などの話題を二人だけでトークし、編集しないで出すというスタイルは度胸のいることだと思います。
宇治原 いろんな意味で、コストをどれだけ省くかですよね。コスパが悪かったらそもそもYouTubeをやる必要はないと思うんですよ。2人で必死に企画を考えて、凝った編集をしてだと、時間を削らなきゃいけない。かといって外注に出すと、すごく見られているチャンネル以外は、あまり利益が出ない。
菅 僕らは普段の仕事も生放送が多く、それにたくさん舞台で漫才もやらせてもらっているから、10分間しゃべることに、ものすごく慣れている。そこは吉本におる強みやと思うんですけど、舞台とYouTubeの撮影は感覚的に変わらないんですよ。
――ただ、それも毎日アップされるのはやはり大変じゃないかと。どれぐらいのペースで撮影されているんですか?
菅 だいたい週に2回のペースで、4本をまとめ撮りします。
宇治原 編集もしないし、テロップも入れないし、僕が空いている時間にスマホでサムネイルの文字を入れるぐらいだから全然できます。
菅 僕は何かをやるときに、まず100回できるか、10回できるか、1回できるかを考えるんです。YouTubeをやるときも100回できるから、このスタイルにしたんですけど、僕らは100回できても、見る人が自分にはできないと思ったら、それは僕たちの勝ちなんです。ただ、どれぐらいの頻度でできるかはコンビによるかもしれないですけど、芸人やったらみんなできると思うんですよ。みんなやったらいいのになあと思うんですけどね。
――このテーマならバズる、みたいなことを考えてテーマは決めているんですか?
菅 僕らもプロでやっているので、これをしゃべったら再生回数が多そうやなということは大体分かっているんです。でも、そればかりにはしないようにしています。そこにこだわってしまうと、それだけしか見てもらえないような気がするんです。だからテーマを幅広くするというか、ほんまに自分たちが興味あるものだけを持ってきています。
――2021年3月13日公開の「【吉本】エージェント契約を解説」は12月の時点で37万回視聴を超えてます。
菅 あれはあんなに回ると思ってなかった。
宇治原 37万のうち、吉本の社員が15万回ぐらい見てるって話もあります(笑)。
菅 そうそう。辞めた社員さんからむっちゃ連絡きたんですよ。手前味噌ですけど、辞めた社員でさえも吉本愛があって、「言っていること分かるわー。舞台の劇場費がかかっているってことを、みんな分かってないところがあるから、そういうのを気付いてくれてありがとう」って感謝されました。
――YouTubeチャンネルを始めたことで、他の仕事に活きている部分はありますか?
菅 むっちゃありますよ。
宇治原 具体的な仕事で言うと、関西の選挙特番に出させてもらったときは、YouTubeで野党について話をした回をやってほしいというリクエストだったんです。選挙特番の生放送中に、僕らが辻元清美さんに生でインタビューしたんですが、スタッフさんからは「YouTubeの中で話していた疑問を実際にぶつけてほしい」ということで、丸ごとYouTubeで出した疑問をぶつけました。そうやって、YouTubeを見たスタッフさんから、「この間のあれを見ましたけど、今日もああいう話をしてもらえませんか」と言われることもあります。
――ファン層に変化はありましたか?
菅 世代的には、トークライブに来ている人とYouTubeを見ている人はほとんど一緒に近いです。ただ、男女別でいうと、僕らのYouTubeは6割ぐらいが男の人なんです。トークライブだと女の人が8~9割だから、それは自分らの中でも衝撃でしたね。
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