昨年12月に完結したAmazon Prime Videoの婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』シーズン4。男女逆転版『バチェロレッテ・ジャパン』の参加者だった実業家・黄皓(コウコウ)がバチェラーとなった今シーズンは、序盤から“最大の波乱”と物議を醸すも、終わってみれば“史上最高”の呼び声高いハッピーエンド。
話題の4代目バチェラー・黄皓に、旅が終わった今だから言えること、自身の自己肯定感や恋愛論まで話を聞いた。【この記事は『バチェラー・ジャパン』シーズン4のネタバレを含みます】(前後編の前編)

【写真】4代目バチェラー・黄皓撮り下ろしショット【17点】

――パートナーに秋倉諒子さんを選んだ最終回も配信され、4代目バチェラー黄さんの旅もついに完結。今の率直な心境からお聞かせください。

黄 『バチェラー・ジャパン』への参加も、諒子と付き合っていることもずっと隠していたので、今ようやく二人のリアルな状態を人に言えるのは素直に嬉しいですね。ようやく外でデートもできて、同じシチュエーションだけでは見られなかった彼女の新たな一面を発見したりして、幸せな気持ちでいっぱいです。

――二人を取り巻く環境も変わったと思いますが、今回の旅を通して黄さんが一番変わった、影響を受けたのはどんな部分でしょうか。

黄 17人もの女性と向き合うという、普段だったら絶対にありえない環境のなかで改めて思ったのは、恋愛についての考え方やアプローチに対する受け止め方、感じ方の違い。こんなにも一人ひとり違うのかと再認識しました。これまでのプライベートの恋愛では、相手が心地いいと思ってないなと感じたらそれ以上いかないようにしてきたけど、この旅ではぶつかったとしても向き合い続けなくちゃいけない。これが結構、学びになりましたね。

合わないなと思う人とどう向き合っていけばいいのか。考えさせられる場面も多かったですし、それは恋愛だけじゃなくて仕事や友人関係とのやり取りにも活かせるなと。
自分で未熟だったな、こういう風に感じるんだったら気をつけようと思う瞬間もありました。

――自分と合わないなと思う方へは、どうアプローチしていらっしゃったんですか。

黄 この旅に参加するのがどれだけ大変で、大切なものかというのは、以前参加者だったこともあってよく分かってるつもりでした。だから、女性たちに「合わないから、じゃあね!」ということだけはしたくなかったんです。なので、合わせる努力。簡単に言うとコミュニケーションの取り方ですよね。例えば、面白くいじったりする人もいれば、優しく「そうだね」と頷きながら話す方がいいタイプもいて。人によって意識的に接し方を少しずつ変えていた、というところですね。

――そういった人との接し方というのは、恋愛だけでなく仕事や友人関係でも変わらないスタンスですか。

黄 そうですね。自分はいくつか会社を経営していますけど、過去一度も社員が辞めるという経験をしていないんです。辞めさせたこともないですし。
諦めるのは簡単。一番シンプルな手段だけど、それは逃げだと思うので。逃げずにどこまでできるかというのは、社員に対しても友だちに対しても同じ。恋愛でも、今回の『バチェラー・ジャパン』という場においては特にそうでしたね。

――社員が一度も辞めてない、というのはすごいですね。

黄 不満がたまらないことはないと思うんです。でも、その不満に対して普通だったら「嫌なら辞めたらいい」となるでしょうけど、自分は「何がいけなかった?どうしたら心地よくなる?自分ができることはなんだろう」と、綺麗事かもしれないですけど、まずは聞く努力をするようにしています。

以前、ずっとSNS上で僕への不満を書いている社員がいたんですよ。直接は言ってこないけど、僕もSNSを見ていて知っていたから、ちゃんと向き合おうと二人でご飯に行って不満を聞き出して。それに対してちゃんと説明をしたら、「理由が分かったから理解しました」と。そうやって向き合う努力を積み重ねてきた結果ですね。

――黄さんって、メンタルがすごく強いですよね。
今回は複数の女性とのキスやお泊りなど、黄さんのスキンシップが話題になりましたが、それに対して自分の行動理由をしっかりと発信していたのも心が強いなと。小さいころから、強メンタルだったのでしょうか。

黄 いや、もともと生まれながらにメンタルが鋼、というわけではないですよ(笑)。それこそ昔は自己肯定感なんて全然。少しずつ養ってきたタイプです。自己肯定感を大事にする人って、自分のコンプレックスを乗り越えてきた人も多いですよね。僕は完全にそっち側です。

――自己肯定感を意識的に上げてきた、ということでしょうか?

黄 そうですね。自分を保つ秘訣みたいなものは持っていますね。小さいころ、家族となにかのファミリーセールに行ったことがあるんですけど、そのときに周りの雰囲気に流されて横入りをしてしまって。ちゃんと並んでいた人に後ろ指をさされる、という経験をしたことがあるんです。それが、大人になった今も心地悪くて。
今もちょっと喋ってて泣きそうになるくらい、気持ち悪い経験だったんですね。

後ろ指をさされる、というのは自分が悪いと思っているから言い返せないんですよ。自分にとって、自分が保てない状態というのは、自分が自分のことを悪いと認めた瞬間。なので、そうならないようにと意識はしていますね。他責じゃなくて自責にしながら自分の心に誠実に、ということは心がけています。

――賛否両論あったスキンシップへの声は、どう受け止めていらっしゃいましたか。

黄 実は、途中までエゴサしていなかったので周りから「大丈夫?」と言われて、初めて「そんな大変なことになってるんだ?」と(笑)。でも、その声に対しては「何を言っているんだ?」という感じでしたね。旅で僕がした行為というのは、誰かにお詫びするべきことなのか、と思ってしまって。賛否両論あったという事実は認識するけど、申し訳ないなという感情は1ミリも存在しない。自分の意志にちゃんと理由があって、自分が誠実だと思ってやったことに対して、周りにとやかく言われる筋合いはないなと思いました。

好感度を優先して行動するという選択肢もあったと思います。
でも、それをやらなかったからこそ、賛否があったわけで。バチェラーは恋愛リアリティショー。それに対して本気で向き合った結果、誰よりも堂々と二股、三股かけている状態になってしまったけど、それを不誠実と感じる権利があるのは僕と相対している女性たちだけ。周りに何を言われようが「そうですか」という感じです(笑)。

――やっぱりメンタルが強い! 実際に参加してみて、恋愛リアリティショーに持っていたイメージに変化はありましたか。

黄 恋愛リアリティショーはうさんくさいと思われている方もいると思います。でも、実際に参加してみて『バチェラー・ジャパン』はやっぱりすごい。本当に徹底していますから。今回、僕のリアルな友だちから「泣いた」と聞くことが多かったんです。自分を知っている人たちの感情を揺さぶったというのは、僕が本気でやっていたことがちゃんと映し出されていたのかなと。『バチェロレッテ・ジャパン』のときは(福田)萌子さんの旅だったから、僕が出し切っていいのかなという迷いがあったんですけど、今回は女性たちにも出し切ってほしかったから、まずは自分からぶつかっていった。そんな僕の姿をきちんと番組として映してくださったのもシーズンを重ねた『バチェラー・ジャパン』だからこそ。
今後は、見る側も出る側もお互いにリテラシーが上がれば、もっと面白くなるんじゃないかなと思いますね。(後編へつづく)

(取材・文/吉田光枝 ヘアメイク/ムロゾノケイト・GIGGLE) 

【後編はこちら】4代目バチェラー・黄皓に学ぶ女性との距離感「恋愛は工学、ちゃんと理論がある」

『バチェラー・ジャパン』シーズン4
Amazon Prime Videoにて独占配信中
全10話
製作:Amazon
コピーライト:(C) 2021 Warner Bros. International Television Production Limited
番組URL:https://www.amazon.co.jp/dp/B09KN5Q19K
編集部おすすめ