さて、今回取り上げるのは、〝BiSH〟(ビッシュ)です。昨年、解散してしまったお騒がせアイドルユニット〝BiS〟の元マネージャー&サウンドクリエイター&衣装デザイナーが、その後継ユニットとして結成した4人組ですね。
#51_BiSH『BiSH-星が瞬く夜に-』  ボクはBiSのことはあまりチェックしていなかったんだけど、サウンドは大好きだったんですよ。このコラムの年始の特番『マーティの妄想アイドル紅白歌合戦』シリーズで取り上げたくらいだからね。(マーティの妄想アイドル紅白歌合戦Part.4「BiSとBABY METALのエクストリーム対決!」)  で、期待を持って彼女たちのアルバム『Brand-new idol SHiT』の中の一曲、『BiSH-星が瞬く夜に-』を聴かせてもらったんですが……これがいいっ! オケ(バックトラック)が超カッコイイじゃん! パンク風のラフミックスって感じのサウンドが、逆にロック感を増幅させているね。ガレージサウンド+日本の女の子の声ってうと、ボクみたいなアメリカ人は少年ナイフを思い出しちゃうね(注:少年ナイフは、全米1位のグランジロックバンド〝ニルヴァーナ〟と一緒にツアーを回ったこともある日本のパンク/オルタナ系バンド)。しかも、すごくいいサビメロなんですよ。すぐに覚えちゃう、すぐに歌い出したくなっちゃうというか。  でもこのBiSH、そのサウンドも含め、アイドルっぽくないんだよね(笑)。特にボーカルワークがアイドルっぽくない。メンバー全員でユニゾンで合唱する部分もないし、メンバーの声もアイドル風じゃない。妙に歌の上手い子もいるしね。いわばチャットモンチーみたいな女の子バンドを聞いているような気分になりますね。これはもしかしたらだけど、クリエイター側もメンバーたちもバンドやアーティストやっているという意識のほうが強いのかもしれない!?  ちなみにBiSH というユニット名も“Brand-new idol SHiT”、つまり新生クソアイドルという意味なんだってね。
いわばアイドルという立ち位置を自虐的にやっているというか。そういう部分も含めて、サブカルっぽくて面白いよね。でも、この曲のPVのメンバーが泥を投げつけられてる映像はちょっとかわいそうだなぁ、と思いました(汗)。 (構成・文/尾谷幸憲 協力/バラン野島)Marty Friedman マーティ・フリードマン ギタリスト、プロデューサー。全米で1000万枚以上のCDを売ったヘヴィメタルバンド「メガデス」に在籍。2004年から日本の音楽シーンでも活躍。ももいろクローバーZ『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』への全面参加。ニューアルバム『インフェルノ』(ユニバーサル)が発売中。 新番組『アイドルお宝くじ』にナレーション出演中 <O.A.情報> テレビ朝日/毎週金曜日 26:50~ BS朝日/毎週土曜日 26:30~ CSテレ朝チャンネル1/11月7日スタート・毎週金曜日 24:00~ 月刊エンタメにて誌面版「マーティ・フリードマンのヘドバン★鋼鉄推薦盤[メタルレコメンド]を連載中! 【公式HP】http://www.martyfan.com/
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