振付師・竹中夏海先生の門下生である2グループ、PASSPO☆とアップアップガールズ(仮)が共演するライブイベント、「たけなかさんの 愛しい教え子 フェスティバル ~俺たちのTIFはまだ終わらない~」(9月11日、新宿BLAZE)の開催を記念して開かれた2グループによる対談。  PASSPO☆側は森詩織増井みお、アプガ側は佐保明梨新井愛瞳という、4人中3人が人見知りを自認するメンバーで開催され、前編はぎこちなさも漂っていたが……。
後編はいよいよ本題、9月11日のライブの話に突入。9・11新宿BLAZEは両グループの“強み”と“弱み”が全面に出たライブになる!──PASSPO☆とアプガ対談、後編はまず竹中先生のほうから、両者のチームカラーの違いを解説していただけますか? 竹中 校風でいえば、PASSPO☆は埼玉県の商業高校。「ウエ~イ」とか言いながら、スカートの下にジャージをはいているようなイメージですね。すぐ先生にくだらないあだ名をつけたりもするけど、決して悪い子たちじゃない。むしろオンナオンナしている子よりも裏表もないだろうし、友達も多い感じ。対するアプガは、体育専門科の学校。それも結構な名門の。 森 フィジカル強いもんな~(笑)。 ──でも、アプガだって最初から体力勝負みたいなアイドルではなかったですよね。 竹中 そうなんですけど、そこは私が導いた方向性ではないので。顧問のY先生(マネージャー)が切り拓いた道です(笑)。ただ私が面白いと思うのは、アプガってこれだけのフィジカル・エリートなのに、頭で考える傾向があるんですよね。
「次、こういうのやってみようか」って提案しても、まずはじっくり頭で考えてみて、「いや、それは無理かもしれないです……」とか言うんです。頭でっかちのところがあるというか。で、実際やったらできるんですけどね。慎重なのかもしれない。 森 へぇ~、すご~い。 竹中 PASSPO☆の場合は逆で、「やります!」「頑張ります!」って返事は気持ちいいんです。ところが本番を観ると、できていない(笑)。 増井 頑張っているんですけどね。というか、自分たち的には「よし! できてるな」って思っているんですよ(笑)。むしろ自信満々なくらいで。 竹中 まぁこの2人はマシだけどね。なちゅ(岩村捺未)とかに比べると。
増井 あぁ、なちゅはねぇ……。できなさ加減が規格外だから(笑) ──そんな名指しにするのは可哀想じゃないですか(笑)。 竹中 いいんです。それもPASSPO☆の校風ですから。 増井 でも提案されたことに「やります!」ってすぐ言っちゃうのは、結局、私たちが何も考えていないからなんだろうなぁ(笑)。次ページ/お互いのグループ、ここが羨ましい!──さて、9月11日の公演についてです。まだセットリストは決まっていないということですが(※取材時)、どういうライブにするのか、竹中先生の中でイメージはありますか? 竹中 今考えているのは、ただ一緒にやるっていうだけじゃなくて、それぞれの弱点を炙り出すような内容にしたいってことですね。 森 え~っ、何それ~~!? 増井 なんか怖いよ……。 竹中 だけど先ほど4人の話を聞いていたら、意外に自覚があるなって思ったんですよね。お互いのグループのいいところを挙げていく中で、逆に言えばそれが自分たちにはないものだっていうことですから。アプガはPASSPO☆のアドリブ部分がいいって言う。つまり、アプガのメンバーはアドリブが弱いっていう自覚があるんです。
それはPASSPO☆がアプガに対して、教わったことを忠実にできる部分がすごいって考えているのも同じことです。今回は、そういう不得意な部分にフォーカスしていきたい。 佐保 嫌だっ! 怖いっ! 新井 先生が言うことは、耳が痛いです(笑)。私たちも、お互いに言うことはあるんです。「もっとフリーでやっていこうよ」とかって。 竹中 可愛い光景だな~(笑)。 佐保 曲でいえば、『ENJOY☆ENJO(Y)』ってまるまるフリーなんですよ。 竹中 下手だよね~。あの曲は本当に下手! 新井 時間が余っちゃうんです。この前も「客席に降りて、自由に1周してみてくれる?」って言われたんですね。だけどリハーサルで1週みたら、ステージに戻るのが早かったみたいで、まだ全然時間が経過していなくて……。自由にしていることができない(苦笑)。
佐保 なので、フリーでやる曲は、あらかじめ自分でプランを立てるんですよ。 森  プランを立てる! その発想がPASSPO☆にはないよ(笑)。 佐保 最初は自転車に乗って出てくる、Aメロの終わりで旗を振る、ここの歌詞までに場位置は2番に移動する……みたいな(笑)。 竹中 真面目なんだろうね。あと不安なんでしょ、あらかじめ決めていないと? 佐保 それはありますね。本音を言えば、私だって何も考えていないように見せたいんです。「突然、思いつきでやったんでしょ?」って思われたいので。だけど実際は、結構細か~く事前から決めています(笑)。 森 すごい研究熱心(笑)。 新井 さらに他のメンバーとも動きが被らないように、事前に打ち合わせするんですよ。「私はこの歌詞のとき、ここまで移動するからね」とか言って。 増井 すごすぎる(笑)。
私たち、同じ動きを全員でやっていることもあるからね。 ──アドリブが苦手なアプガのみなさんに、PASSPO☆サイドからアドバイスはないんですか? 森 え~、どうだろう!? 増井 普段通りにふざけるってことかな。そういうふうに考えたこともなかったけど……。 竹中 レッスン中も、ずっとふざけているもんね。もちろん不愉快になるレベルのおふざけをステージで出されたらダメですよ。「ちゃんとやれよ!」って感じになりますし。だけど観ている側も笑っちゃうようなおふざけだったら、エンターテインメントになるんですよね。実際、そういう部分はファンからも人気がありますし。──アドリブを苦手とするアプガがPASSPO☆に憧れるのは、聞いていてよくわかりました。でも逆に、PASSPO☆がアプガから学ぶことはあるんでしょうか? 増井 そんなの、いくらでもありますよ! 森 迫力! 勢い! 一体感! もうすごいじゃないですか。圧倒されますよ。先生の振付を完璧に、なおかつ全力でやっているから、それは本当にすごいなって毎回のように驚かされます。
私たちだって、先生の言うことは忠実にやっているつもりなんですけどね。でも、実際はできていないという(笑)。 増井 体力とか声量も本当にすごいですよ。最後までペースが落ちないし。というのも私、最近になって体力なくなってきたんです。すぐにゼーゼーしちゃう。たぶん年齢的なこともあるのかな。 佐保 けど、私も同じ20歳ですよ。 増井 20歳になると、急に体力が落ちませんか? 佐保 別にそんなことなかったけどな~。 竹中 まぁアプガは鍛え方が違うからね。体力面に関しては、化け物みたいな子たちだから(笑)。 新井 でも実は、7人の中では明梨が一番筋トレをサボろうとするんですよ。空手とかやっていたわりには、トレーニングが嫌いみたいで。 竹中 意外だなぁ。というのは、明梨ちゃんはスタミナがすごくあるから。(古川)小夏ちゃんも昔はスタミナがなかったんだけど、鍛え始めてからはステージ後半でもバテることがなくなったんだよね。 次ページ/9・11、新宿BLAZEで何が起こるのか……!?──では9・11に向けて、改めてメンバーからの抱負をお願いします。 森 このツーマンはですね、本当に「待望の」と言っていいと思うんです。これまでイベントとかでは散々一緒になっていたけど、2組だけっていうのは初なので。現時点ではまだやる内容も決まっていないんですけど、だからこそ森がやりたいことを言わせてもらうと、はっちゃけ隊(岩村、森、安斉、藤本有紀美からなる派生ユニット)をやってみたいですね! 増井 たしかに一緒にやったら楽しそう! 新井 はっちゃけ体操、やってみたいな。 森 ねっ! よし、やろうやろう! 増井  私は、アプガちゃんを『STEP & GO』に出すっていうのが希望。あの曲、みおとあいぽん(根岸愛)ともりし以外は全員どこかに行っているような感じなんですよ。いきなりその自遊空間に投げ込まれたらアタフタしちゃうと思うんだけど、そのぶん、観ている方も刺激的に感じるんじゃないかな。 森 『マテガ(マテリアルGirl)』とかも、そっち系だよね。あれはフリーダムすぎてヤバい。振りは一応あるんですけど、Aメロの部分とかは後ろで勝手に踊っていますから(笑)。あとは逆にアプガでやりたい曲もたくさんあるな~。『全力! Pump Up!!』とかね。森は結構アプガの曲を踊れるんですよ。ライブを観ながら一緒に踊っているうちに覚えちゃったりして。 新井 ただ、歌詞を勝手にアレンジして変えちゃうんです(笑)。 森 それは私じゃない! 増井 犯人は、あんにゃです。すぐ替え歌にしちゃうんですよ(笑)。 ──アプガ側は、希望することって何かありますか? 新井 衣装交換したい! こんなに布がある衣装、着たことない! ──でも、PASSPO☆は「勘弁してくれ」って思うかもしれませんよ。「なんか肩にトゲが刺さっているし、北斗の拳みたいだよな」とか(笑)。 森 ひどい(笑)。そんなことないですよ。衣装に関しては、いつもすごいなと思うんです。こんなにパッツンパッツンの衣装、考えられない! ──腹筋とかを鍛えていないとキツい衣装ですしね。 森 本当にそう! だから、うちのなちゅとかじゃ……。 増井 それこそ、ひどいよ(笑)。なんで名前を出すかな~。 ──新井さんとしては、PASSPO☆のようなガーリーな衣装に憧れがある? 新井 そうですね。スカートをはいてみたいです。スカートの衣装なんて、1着くらいしかないんです。基本的に全部強そうな衣装ばかりなので(笑)。 佐保 私は、両グループの全員で歌ってみたいかな。こういう対バン形式って、お互いのグループが相手の曲を披露するっていうパターンが多いじゃないですか。だけどアプガだけでPASSPO☆さんの曲をやっても、結局、いつもみたいに自由にできないでガチガチになると思うんですよ。それじゃ意味ないですから。 森 なるほどね。それは、あるかもだな~。──当日の会場は、どんな雰囲気になるんですかね。PASSPO☆のパッセンとアプガファミリー、それぞれのファン層は被らないものなんですか? 竹中 どうだろうな……。どちらかというと、PASSPO☆のほうがメンバーに対して友達感覚で接してくるイメージがありますね。メンバーに会っても緊張しないですし。アプガの場合、ステージの上を下からリスペクトして観ている感覚。ちゃんとアイドル扱いしてくれるというか。 佐保 はぁ。そんなものですかねぇ……。 竹中 PASSPO☆と比べたらね。まぁ自分たちでは気づかないかもだけど。特徴的なのは、私がTwitterでつぶやいたときの反応。PASSPO☆のことをつぶやくと、リプが超くるんですよ。ファンもメンバーが私に友達感覚で接しているのを知っているし、そもそもメンバーに対してもファンが友達感覚だから。 増井 アハハ! そうかも~! 竹中 だけどアプガについてツイートすると、リプはまったくこないのに、着実にリツイートだけが重なっていくんです。 森 すごい! でも、それって反響はあるということですよね。 竹中 そう。反響は確実にあるし、広めようっていう気持ちもあるの。だけどメンバーがお世話になっている先生に対して、そんなやすやすとリプするだなんて恐れ多いという感覚なんだろうね。 ──似ているようでいて、文化圏が微妙に違うんですね。 森 ただ、パッセンもいい人ばかりだし、アプガのことを知らなくても全然ライブは楽しんでくれると思うので、当日は何も心配してないですけどね。来た者勝ちというか。 増井 どういうライブになるかっていったら、元気で、明るくて、楽しい……そんなイメージだと思うんですよ。予備知識なしでも全然OKだし、普通に楽しみたい人や騒ぎたい人はぜひとも! って感じかな。 森 パッセンも私たちがアプガちゃんと仲いいのを知っているから、一緒に楽しんでいるところを観たいっていう部分があると思うんですよね。だって、これは念願ですから。本当に待望。この4年くらい、ずっと「やりたい! やりたい!」って言い続けてきたんです。先生がうちの事務所(プラチナムプロダクション)以外で教えるのはアプガちゃんが初で、そういうこともあったから、先生経由でアプガちゃんの話は聞いていたんですよ。それで映画で一緒になった森咲樹と「一緒にやりたいよね~」なんて連絡を取ったりもしていましたし。 竹中 双方のメンバーから言われていました。「一緒にやりたいです!」って。特に『Cheerfu11y』組はそうだったかな。逆にこの3人(増井、佐保、新井)は、そうでもなかったけど(笑)。 ──わかりました。では、最後に竹中先生からメッセージをお願いします。 竹中 今日ここにいる4人は、こうやって話しているうちに自分たちの‟強み”と‟弱み”がだいぶ把握できたと思うんです。それを他のメンバーとも共有して、当日は両グループが高め合っていければいいですね。アイドルグループの子たちって、やっぱりどうしても自分らのグループ内で他のメンバーと比較しがちなんです。だけど一歩外に出ると、もっと全然違う子がいたり、違う価値観があったりするわけで、どんどん視野を広げてほしいっていう気持ちがあるんですよ。どうせ一緒にやるんだったら、何かを学んでほしいし、これからも互いに刺激し合う存在でいてほしいなと思います。 撮影/西邑泰和 <PASSPO☆とアップアップガールズ(仮)の対バンイベント> 「たけなかさんの 愛しい教え子 フェスティバル ~俺たちのTIFはまだおわらない~」 日程:9月11日(金)開場18:15 開演19:00 会場:新宿BLAZE 出演:PASSPO☆、アップアップガールズ(仮)、竹中夏海 小野田衛 1974年、神奈川県生まれ。出版社勤務を経て、現在はフリーの編集・ライターに。『月刊ENTAME』では主にハロプロとプロレスの記事を手がける。著書に『韓流エンタメ日本侵攻戦略』(扶桑社新書)。
編集部おすすめ