バラエティ番組などで目まぐるしい活躍を見せる須田亜香里。3月9日に発売されるSKE48の29thシングル『心にFlower』でも選抜メンバーとしてグループを牽引している。
今回、新曲の話から、アイドルグループとしてセンターに立つこと、同期という刺激的な存在など、アイドル・須田亜香里に話を聞いた。

【写真】美スタイル際立つ須田亜香里撮り下ろしショット【10点】

――1月29日の名古屋でのソロライブは中止になってしまいましたね(※新型コロナウイルス罹患のため)。

須田 そうですね。4日間くらい寝込んでしまいました。周りでかかっている人を見ても、熱が出ているケースは少なかったので、こういう場合もあるんだと思いました。私の場合、高熱が出て、体のあちこちが痛くなりました。自分がうなされる声で起きちゃったりして。熱が落ち着くと、今度は喉が痛すぎて! 唾液を飲むたびに激痛が走るんです。最近のウイルスは重症化しないと言われていたけど、そんなことはありませんでした。軽く捉えられているなって思いました。

――治ったことですから、新曲の宣伝をしていきましょう(笑)。

須田 私はこの曲がすごく好きです! 歌詞がいいなと思っていて、優しい気持ちになれる人にも、そうじゃない人にも寄り添ってくれるところが好きです。
日常を生きていると、些細なことで傷つくことがあるじゃないですか。なんでこの人はこんなことを言っちゃうんだろうとか。それを言われた人、言ってしまった人、両方を救ってくれる曲なんじゃないかなって。

たとえば、「協調性とは妥協じゃない 認め合うことだ」という歌詞があります。私は学校に通っている頃から協調性がなくて、集団生活がしんどいなと思うことが多かったです。なので集団にとけ込むことが苦手でした。意見が違ったら、「違う」と言いたいので。みんなといると疲れるなと思っていて、そんな私をはみ出していると見ていた同級生もいたと思います。そんな私がSKE48に加入して、グループで活動することの大切さを知って、10年以上活動してきたところでこの歌詞と出会うと、「深いなぁ……」と思いますね。

――センターは、前作に続いて中学1年生の林美澪さんです。

須田 とてもいいことだと思います。12歳の子がまえにでているから嬉しいわけではなくて、美澪だから成り立っていることであって、若ければ誰でもいいわけではありません。
美澪は、いいパフォーマンスをしたいと考えているという大前提があります。そんな子がたまたま若かったということです。もちろん若い子が前に出ることは素敵だと思いますけどね。今のグループが優しい気持ちになれているのは、美澪がセンターだからかもしれないです。それはやっぱり年下の美澪を守りたくなるという一面もあると思います。

でも、美澪は中学生だけど、頼もしさがあります。誰にも有無を言わせない努力もできます。プロとしてどうあるべきか、どんな努力をしているか、メンバーは知っているから成り立っているんです。

――でも、ご自身もプロとして活動しているわけですから、前に出たいという欲もあると思うんですよね。

須田 2年前、私は『ソーユートコあるよね?』でセンターに立たせていただいたから、もう執着がないです(笑)。センターに立つと、悩んじゃうと思うなー。容姿に自信がないから(笑)。
たくさん映るのがプレッシャーなんですよ。もう少しかわいくなれたら、もう一回センターやりたいです(笑)。だから、今は「私もセンターに立ちたい!」という気持ちを他のメンバーに味わってもらいたいです。

――では、立ち位置も気にならないんですか?

須田 私は選抜に入らせていただくだけで、ありがたいと思っています。個人でいろんなお仕事をさせてもらっているなかで、いろんな発言をするじゃないですか。今度はSKE48として何らかの番組に出させていただいた時、私が過去にバラエティ番組で発した言葉が視聴者の方の頭によぎることがあります。それはSKE48にとっては余計な情報になってしまうんです。私がフロントにいることで、グループが損をしてしまうのはもったいないと思うので。そんなに主張しすぎない立ち位置でいいかなと思っています。

――4月には、大場美奈さんが卒業しますね。

須田 最近、2人でランチをした時、たくさん話をしました。時間が足りなくて、また行こうねって言い合っています。
そのランチでは、SKE48のことばかり話しました。これからもSKE48には素敵なグループでいてほしいので、どうしたらみんなが自信を持って活動していけるのかなって。みんなにはアイドルを楽しんでほしいですから。

――SKE48はカミングフレーバーやプリマステラといったユニット活動を加速させていたりと新しい試みを始めていますが、須田さんの目にはどのように映っていますか?

須田 すごくいいことです。若いメンバーからすると、選抜に入ることを非現実的に感じてしまう子もいます。でも、期が近い少人数で活動することで、刺激を受けますよね。私は3期生なんですけど、AKB48の9期生とデビュー日が同じでした。それもあって、よく9期生の子と比較していました。私が初めて参加した選抜総選挙(2010年)は、加入してから半年後だったので、自分がランクインするわけないよなと思っていました。

でも、9期生の山内鈴蘭ちゃんがランクインしたんです。それを見て、自分はなんて甘ったれていたんだろうと反省しました。なんでもっと本気になれなかったのかって。
その後、ぱるる島崎遥香)も抜擢されていきますよね。スタートが同じ日だった人がここまで輝けるのだとしたら、自分は何かが足りていないんだって。同期って、そうやって自分に客観的な視点を与えてくれるんです。

先輩と比べてしまうと諦めがちになってしまうけど、同期ならそう思わなくてもいい。すごく効果的だと思います。だから、若手がどうやったら輝くのかということを会社も考えているんでしょうね。去年12月、SKE48は新世代コンサートを開催したんですけど、私はお仕事が終わってから駆けつけました。感想としては、自分が後輩に伝えられていたんだなと思って感動したり、伝えられていなかったことがあったんだなと思って、心が痛くなったりしました。

――心が痛い?

須田 たとえば、レッスンは鏡に向かって踊るものですよね。では、なんのために鏡があるのかというと、隣の子の姿と自分の姿を確認するためです。自分がどう見えているかと同時に、みんなで振り付けを揃えるために鏡があるんです。鏡の使い方を私は教えられていなかったんじゃないかと思って、心が痛くなった場面がありました。
でも、それは本人の意識の問題というより、気づかせてあげられなかった側の問題だと思います。その子のせいではありません。今までもっとスタッフさんと意識をすり合わせればよかったなって。そうすれば、自然と後輩に伝わっていくものですから。自分が関わっていないSKE48のコンサートを初めて観て感じたことはそれでした。私は舞台に対して厳しいほうなので。

――先輩が大勢いる時代でも、須田さんはリハーサル中に思ったことを提案していましたよね。

須田 震えながらですけどね(笑)。自分なんかが言っちゃダメだと思ったら、その時点で妥協ですから。私は言います。意見しないことを協調性だと思っている人が多いでしょうけど、全体がよくなるためには、どんなことでも口にするほうがいいと思います。グループが素敵になっていったら、アイドルって楽しく活動できますから。アイドルになってよかったなって、後輩には思ってほしい。それが今の私の目標です。

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