毎回、メンバーの新しい可能性・成長を見せてくれるアンダーライブ。今回、3月25日~26日に行われた29thSGアンダーライブで一際輝きを放っていた4期生・佐藤璃果をピックアップ。
彼女の乃木坂愛、そして表現力を紐解く。

【写真を見る】佐藤璃果の表現力が光った29thSGアンダーライブ【14点】

座長の佐藤楓を筆頭に、熱すぎるパフォーマンスで乃木坂46史に刻まれることになった29thSGアンダーライブ。そのステージで存在感を示したのが、黒見明香、佐藤璃果、林瑠奈、松尾美佑、弓木奈於の5人だ。

彼女たちは、2020年2月に“新”4期生として遅れて4期生に合流。だが、コロナ禍に見舞われて従来のようなアイドル活動を送ることはできなかった。このような状況もあって、彼女たちは一様に遠慮がちな性格で、そのキャラクターは伝わりづらかった。

その5人がアンダーライブでいよいよ覚醒したのだ。もう彼女たちを“新”4期生と呼ぶこともないだろう。

なかでも、璃果は『風船は生きている』をセンターでパフォーマンスし、乃木坂46の魂を継ぐ者としての気概を見せた。筆者が感じたのは、オリジナルセンターの渡辺みり愛がアンダーライブ東京体育館公演(2017年4月~4月22日)で示したような白い光だ。渡辺は愛を込めて璃果のことを「レッサーパンダちゃん」と呼んでいたが、璃果はステージ上でレッサーパンダポーズを行い、その愛に応えた。

璃果の乃木坂46に対する愛はホンモノだ。


2016年夏、岩手県に住んでいた璃果は、乃木坂46の3期生オーディションを受けていた。2次審査となる仙台会場に向かう途中、肌が白くて脚が細い少女を見かけて「彼女もオーディションを受けるはず」と、不慣れな土地であることから彼女についていくことにした。会場につくと、璃果は肌の白い少女の隣に座り、少し離れたところに貼ってあるオーディションの内容が書いてある紙を「一緒に見にいきませんか?」と声をかけた。

この肌の白い少女こそ、現在の3期生の久保史緒里だ。璃果はオーディションに落ちてしまったが、SHOWROOM審査まで進んだ久保を応援し、乃木坂46に加入すると素直に喜んだ。東北からアイドルになった久保の存在が、璃果にとっての希望になっていたのだ。

その後、璃果はけやき坂46の2期生オーディションに落選し、坂道合同オーディションでは合格したもののグループに配属されることはなかった。「もう傷つきたくない」と思うこともあったが、それでも諦めずに研修生を経て乃木坂46に入った。ただ、彼女は「苦労人」とは思われたくないという。

前述したように、乃木坂46加入後も璃果の活動は順風満帆とは言えなかった。弓木がバラエティ力で、松尾がダンスで、林が歌唱力で頭角を現わし、黒見は『乃木坂スキッツ』(日本テレビ系)のキャラデミー賞でさらば賞(特別賞)に輝いたが、璃果は自分を出せずにもどかしい日々を送っていた。

そんな彼女にとって転機となったのが、アンダーライブ2021(10月26日~28日)だった。
璃果は4期生で歌った『不等号』のセンターに立つと、普段のふわふわしたイメージを覆すような情熱が迸るパフォーマンスを見せ、アンダーライブらしい持たざる者の渇望を表現した。

「アンダーライブで思ったのは、歌やダンスはもちろん、『表現に力を入れたい』ということ。前に進みたい気持ちはずっとあるんです。足りないところはたくさんあるけど、『ライブを観て好きになりました』という言葉が励みになってます。どんな位置でも自分が納得できるくらい頑張れば、誰かが見つけてくれるんだって」(『EX大衆』2022年1月号)

オリジナルセンターである中元日芽香の著作『ありがとう、わたし 乃木坂46を卒業して、心理カウンセラーになるまで』を読んで、『不等号』の時期に抱えていた葛藤を知っていた璃果は、曲の重みを感じながらパフォーマンスしたという。会うことができなかった先輩の魂を受け継ごうとしていたのだ。

今年2月21日~23日にYouTubeで配信された『乃木坂46時間TV』の大運動会でも、璃果は観ている者の心を動かした。「華のステージ」で「チームに迷惑をかけてしまった」と自責の念に駆られた璃果は、カメラの前で涙を流してしまう。

その後に行われた全員リレーで、第2走者として登場した璃果は感情が伝わる爆走を見せて他のランナーを引き離すと、実況を務めていた高橋大輔アナウンサーは「先ほどの涙を力に変えて!」と叫んだ。佐藤はチームの優勝に貢献した。

前回の『乃木坂46時間TV』(2020年6月19日~21日)は、璃果にとって先輩と初めて絡む仕事だった。番組内で高山一実と2ショットトークをすることになった璃果は「強く優しくなりたい」と話した。
自分が憧れていた乃木坂46の先輩たちのように、「誰かに勇気を与えることができる存在になりたい」という想いからの発言だった。

過去をリスペクトしながら現在を更新しようと愚直に頑張る佐藤璃果の躍進が、いつか乃木坂46を変える日が来るのかもしれない。その時こそ、彼女が誰かに勇気を与える存在になるはずだ。

【あわせて読む】乃木坂46 星野みなみと向井葉月、推しからステージで向き合うようになった2人の関係性
編集部おすすめ